• 2021年5月26日
  • 2024年2月6日

公立中高一貫校の模試を知ろう。どの模試を受ければよいの?

公立中高一貫校の模試を知ろう。どの模試を受ければよいの?

近年、学費が安く先進的なカリキュラムを受けられることから、公立中高一貫校が人気を集めています。公立中高一貫校合格を勝ち取るために知っておきたいのが、どの時期どの模試を受ければよいのかということ。この記事では、公立中高一貫校受検者に向けて模試に関する詳しい情報を紹介します。

そもそも模試って受ける意味あるの?

そもそも模試って受ける意味あるの?
「そもそも模試って時間の無駄じゃない?」と疑問を呈する子供は少なからずいます。6年生ともなれば、常に勉強に追われています。そのため、「模試を受けたって成績が上がるわけじゃないし、受検対策に時間を使いたいよ」という嘆きももっともでしょう。
しかし、模試でしか得られないメリットもたくさんあります。その最たるものが自身の学力の相対化する目線です。模試はたくさんの子供が一斉に受けます。つまり、より正確に自分の実力を知ることが可能なのです。実力を知っただけでは成績は上がりませんが、勉強への意識の持ち方やアプローチは大幅に変わるものです。加えて、当日の段取りを理解し、試験中どう時間配分すれば上手くいくかを試行錯誤するよい機会です。
初めての模試だと、実力を発揮できず点数が伸びない子供は大勢います。二回目の模試からぐっと偏差値が上がるのはよくある現象です。どんなテストでもイメージトレーニングをして臨んだほうが上手くいきます。模試に慣れておけば、受検本番で合格点をとりやすくなるのです。
模試を受けてわかるのは、なにも自分のことだけではありません。ライバルの動向も知ることができます。同じ学校を狙っているライバルたちが、どの学校を併願しているのかを知り、自身の志望校選定に活かすことが可能です。

公立中高一貫校受検対策としておすすめの模試は?

公立中高一貫校受検対策としておすすめの模試は?
公立中高一貫校を受けるにあたり、どんな模試があるのでしょうか。代表的な模試を紹介していきます。

首都圏中学模試センター「適性検査型模試」

首都圏において、規模の大きな模試です。小学5年生9月、小学6年生7月、9月、11月に実施されています。完全会場型なので、本番のシミュレーションとして活用が可能です。私立・国立中学の適性検査・総合力型・思考力型にも対応しています。受ける人数が多いだけあって、データの正確性はやはり際立っています。成績表が見やすいことでも定評がある模試です。

日本教材出版「公立中高一貫校適性検査対策模試」(公中検模試)

受検者数が一年あたりのべ五万と非常に多い模試です。首都圏以外では広島にも会場が用意されています。自宅でも受検可能なシステムを整えているため便利です。ただし、自宅受検だと本番のイメトレがしづらいというデメリットもあります。

早稲田進学会「そっくり模試」

都立中高一貫校の問題を徹底的に分析した上で、オリジナルの問題を作っています。問題の質に対する評価の高い模試です。名前のとおり本番そっくりな模試を目指していて、検査時間、問題数、解答の字数といった形式面及び内容面ともに、本番さながらの内容です。
テスト後には解説授業によるフォローもあります。授業内容は、模範解答と解説プリントを配布した上で、問題のポイントを約二時間半にわたって解説するというものです。それぞれの答案を添削し、返却時に一人一人の成績表および問題ごとの得点分布表、採点時に気づいたポイントや、解説プリント等を同封して送ってもらえます。

早稲田アカデミー主催「公立中高一貫校対策 一貫模試プレオープン」

公立中高一貫校では、記述問題がメインのため、試験を受けっぱなしにするのではなくフィードバックされた内容をどれだけ掘り下げて、実力として定着させることができるのかが問われます。その点で、添削の丁寧な模試であれば、実力アップに活かすことが可能です。早稲田アカデミーは、具体的な改善点を挙げてくれる添削で人気があります。アドバイスを参考にしながら自分の答案のよい点悪い点を認識し、本番に通用する力を身に着けていきましょう。

栄光ゼミナール「公立中高一貫スタートテスト(小4・5)」「公立中高一貫オープン(小6)」

首都圏以外では京都や北海道でも行っています。模試の種類は学年によって異なり、小学4・5年生は「公立中高一貫スタートテスト」、小学6年生は「公立中高一貫オープン」です。無料のため、気軽に申し込むことができます。会場は栄光ゼミナールの各教室です。
子供たちが試験を受けている間、親は受検についての保護者説明会に参加。受検にどう取り組むべきかについて学びます。成績報告書は面談を通して返却されます。子供の答案を分析し、その子に合った適性検査対策について提案してくれるという流れです。
栄光ゼミナールでは、答案を添削してから返却してくれるため、どういう点に気をつけていけばよいのかを学ぶことができます。

Ena「都立中適性検査模試」

新小3~新小6を対象にした模試です。都立中や県立中および適性検査型入試実施の私立中や国立中の合格判定ができます。受検者数が多く、都立中高一貫校を狙う子供であればだいたいが受けている模試です。

日程や会場に関しての注意点

コロナ対策で密を避けるために、イレギュラーな形態をとっている模試もあります。事前にホームページで詳細情報の確認が必要です。

公立中高一貫校の模試を選ぶ基準は?

公立中高一貫校の模試を選ぶ基準は?
先に紹介した模試以外にも、私立中学受験に強い大手塾が行っている模試をはじめ、模試の種類はまだまだあります。選択肢がこれだけ多いと、どれを受ければよいのかわからなくなりがちです。ここまでで挙げた模試は、データの信頼性やフィードバックの質で人気があるものばかりです。あとは家庭の側がなにを求めているかでしょう。

選ぶ際の代表的な基準
  • たくさんの人が受けていて、データの正確性が担保されているか
  • 添削や解説授業などのフィードバックが手厚いかどうか
  • 成績報告書が見やすいかどうか
  • 費用が負担にならない額かどうか
  • 自身の志望校が対象校として含まれているかどうか

受検のデータは模試を受ける人数が増えれば増えるほど、正確性がアップします。そのため、できるだけ大手の模試を受けるようにしましょう。大手は何年にもわたり、受検データを蓄積してきています。塾が主催の模試では受検説明会も同時に行うところが多いですが、OB・OGを抱えているため情報量が豊富です。合格率をはじめとするデータに関してはやはり大手が強いと言えます。

しかし、模試で大切なのはデータだけではありません。添削や解説授業などのフィードバックがないと、レベルアップにつなげるのは難しいものです。また、成績報告書の見やすさは模試によってかなり差があります。受けた人が身近にいるなら、ぜひどの模試がおすすめかを尋ねてみるとよいでしょう。

模試にかかる費用が、経済的に負担にならない額であるかどうかも大切です。無料の模試もあれば、一回あたり数千円かかるような模試もあります。ちなみに、有料の模試は平均すると五千円前後が多いです。複数回受けるとなると費用負担は膨れ上がります。
「ならば、無料の模試だけ受ければよい」と考える向きもあることでしょう。もちろん、それで構わないのですが、無料の模試の場合、塾の営業を兼ねているケースがあることは念頭に置いておきましょう。説明会や解説授業、面談などを通して勧誘されて困るケースもあるかもしれません。受けた人の話を聞いたり、ネットの口コミを読んだりして、しつこくないところを選ぶようにしましょう。

なお、すでにその塾に通っている子供が、塾内模試を勧められるケースも多くあります。月イチ程度の頻度で塾内模試を受け続けている家庭も多いのではないでしょうか。外部の模試を優先したければ、塾にそう伝えることも可能です。ただ、塾側は一人でも多くの子供に自社の模試を受けさせたがります。貴重な収入源だからです。
もちろん、塾内模試を受けることで、塾側が生徒の成績変動に即時性をもって対応してくれるというメリットもあります。模試の質は塾によって大きく違いますから、必要か不要かを見極めてどうしたいかを伝えましょう。

模試を受ける際には、対象校に志望校が含まれているかどうかを確認してください。自分の志望校の名前が入っている模試であれば、内容にもデータにも信頼が置けます。

公立中高一貫校対策の模試は何回ぐらい受ければよいの?

公立中高一貫校対策の模試は何回ぐらい受ければよいの?
これだけ種類があると、いったいいくつ模試を受ければよいのかと迷ってしまうことでしょう。もちろん、片っ端から受けていく必要はありません。模試だけに振り回されて受検勉強ができず本末転倒になってしまうからです。ただ、せっかくなので一種類ではなく二種類以上受けて模試を比較してみるとよいでしょう。塾内模試を受けていないのであれば、隔月ペース外部の模試を試してみることをおすすめします。
解説授業や添削が充実しているからと、あえて合格率の信頼性が低い模試を受けるケースもあるかもしれません。その場合は、大手の模試を併せて受けるようにしましょう。

根拠の乏しいデータに、振り回されてしまうのはよくありません。実力より高い合格率が出て油断したり、実際より低い合格率をたたき出してしまいモチベーションを挫かれたりするとやっかいです。模試を活用して、より一層受検対策に励むはずが、逆効果になってしまいかねません。

子供が模試を受けたがらなかったら

子供が模試を受けたがらなかったら
塾通いの子供であれば、「まあ、友達も受けるしね」と塾内模試を受けるケースが多いです。しかし、親が探してきた模試となると、渋る子供も少なくありません。
「目の前の勉強を優先したいから模試は受けたくない」という子供もいれば、「面倒くさいから受けたくない」という子供もいます。まずは、年に何回ぐらいの模試なら、負担にならないかを親子で話し合ってください。そうはいっても、あまりにも回数が少ないとどのように成績が変動しているか、把握できないので最低でも年四回ぐらいは受けたいところです。
「面倒くさいから受けたくない」とごねる子供には、「模試は今やっている勉強を無駄にしないための予行練習だ」と伝えてあげるとよいです。
模試を面倒くさがる子供は、解説授業を聞き流してしまう傾向があるので、事前になんのために模試を受けるのかをよく説明しておきましょう。

模試の結果が悪かったときには

模試の結果が悪かったときには
模試の結果を受けて子供が落ち込んでしまって、やる気を失ってしまうこともあります。その場合は親子で結果を見て、「減点の原因」を分析してください。
子供も好きで悪い点数をとっているわけではないので、叱りつけないようにしましょう。模試はあくまで本番の準備なので親が焦ってしまってはよくありません。どこでつまずいたのか、なにが足を引っ張っているのか、その問題を解決するためにはどうすればよいかを話し合うのです。叱るのであれば、結果の良し悪しではなく、過程に対してにしましょう。
基本的には、「どこが足りないかはっきりしてよかった。次の模試までに克服しようね」と前向きな言葉を子供にかけてあげることをおすすめします。

公立中高一貫校の模試を活用して本番準備を!

公立中高一貫校の模試を活用して本番準備を!
自力で勉強している子供も、塾に通っている子供も家庭教師と二人三脚している子供も、ぜひ模試を受けてみてください。独学や家庭教師の場合は、相対的な学力を把握するよい機会になりますし、塾に通っている子供にとっては身近なライバル以外の動向を知るチャンスとなります。
模試を受ける回数は多すぎても少なすぎても効果がありません。多すぎれば時間をとられて本末転倒ですし、少なすぎると準備が足りないまま本番を迎えることになります。
公立中高一貫校の問題では、要点を押さえた文章を書かなければならないため、模試を終えた後の復習がカギです。模試の結果をフィードバックしてもらい、ダメだった点を把握しておきましょう。模試後の解説授業や個人面談を活用するとよいです。
中には模試を受けたがらない子供もいることでしょう。なんのために模試を受けるのか、その背景を説明して理解を得ることが大切です。いかに本番までにイメージトレーニングが欠かせないかを伝えてあげましょう。

たとえ模試の結果が悪くても叱らないであげてください。模試のミスを通して、子供の苦手箇所がわかってよかったと前向きにとらえるとよいでしょう。

公立中高一貫校の模試に関するまとめ
  • 初めての模試では実力を発揮することは難しい
  • 二回目以降に偏差値が上がることが多いので慣れることが重要
  • 蓄積された模試データに関してはやはり大手が強い
  • 公立中高一貫校の模試は何よりもフィードバックが大事
  • 志望校が対象校に含まれている模試を選ぶ
  • 二種類以上の模試を受けて模試自体を比較してみる
  • 模試は最低でも年に四回以上は受ける
  • 模試後の解説授業や面談を上手く活用する
  • 模試の結果に対しては叱らず前向きな言葉を掛ける

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