• 2021年4月26日
  • 2024年2月6日

学習スケジュールを見直そう。中学受験に向け6年生はどう勉強するべきか

学習スケジュールを見直そう。中学受験に向け6年生はどう勉強するべきか

中学受験に向けて「このままでいいのかな……」と不安になっている受験生も多いことでしょう。受験生の一年間は油断していると、あっという間に終わります。一度、学習スケジュールを見直してみましょう。この記事では、受験生の年間を通した勉強の仕方を紹介し、計画の立て方を見ていきます。

受験生はハードスケジュール

受験生はハードスケジュール
受験生になると、塾に通っている子供は、急にハードスケジュールになります。5年生のときは週3~4回だった通塾回数が、6年生になると週4~5回。自習室に通う日も含めると週6ペースの子供も珍しくありません。

ほぼ毎日、塾に身を置きながら宿題や受験勉強を進めていくのですから、まだ体力のない小学生にとっては大きな負担となります。授業後は持参した弁当を食べて居残りで自習。家に帰ってからも休憩を挟んで勉強する子供が多く、まさに勉強漬けです。
塾ではなく家庭教師を利用している場合も、授業時間や授業回数を受験対策として増やす家庭が多くあります。家にいる分、夜ご飯が弁当になることはありませんし、通塾時間による負担もありませんが、宿題や受験勉強に追われることになるのは変わりありません。

こうしたハードスケジュールをこなすためには、親子ともメリハリある生活を意識する必要があります。忙しさに流されて休憩なしの日々を送っていると、どうしてもやる気を失ってしまうためです。成績上位の子供は勉強と休憩のメリハリの付け方に長けています。「その曜日は何時から塾に行き、何時間居残り、家に帰ってきたらどうするか」の目安を共有しておきましょう。

塾や家庭教師と年間の学習計画を共有しよう

塾や家庭教師と年間の学習計画を共有しよう
毎日の勉強をどうこなしていくかは大事です。しかし、指示されるがまま、目先の勉強だけを片付けていると、自分がいま受験に向けてどの程度準備できているのかわからず不安になるものです。受験本番までの一年間の流れや、どの時点でどのレベルに達すればよいのかを知っておく必要があります。一年の予定を視覚的に把握できるよう、年間スケジュールを書き出しましょう。

実際、秋冬ごろまでやる気を出せない子供はよくいます。多いのは、「自分の勉強の進め方では、受験までに間に合わない」という実感が湧いていないケースです。見通しを立てていないことで、逆にナントカなるのではと楽観的になっている子供はよくいます。
受験直前になって、受験生から「もっと早く頑張っておけばよかった」という言葉を何度聞いたことでしょう。「後悔先に立たず」を避けるプランが必要です。
以下は、6年生の時期ごとのコンセプトです。

2月6年生のカリキュラム開始
3月~4月春休み・春期講習/基礎を固める
4月~6月基礎を固め応用へと移行
7月~8月夏休み・夏期講習/応用力を高める
9月~12月過去問演習/実践力をつける
12月~1月冬休み・冬期講習/実践力をつける

上記は塾だけでなく家庭教師を利用した場合も、ほぼ同様の流れです。長期休みに合わせた季節講習コースを用意している家庭教師派遣センターはたくさんあるので活用してください。

模試やオープンキャンパスの予定も

模試やオープンキャンパスの予定も
受験生は、自分の立ち位置を相対的に把握する意味でも、模試をたくさん受けたほうがよいです。塾に通っていれば自動的に受ける流れになるでしょうが、家庭教師や家庭学習で受験対策をしている場合も、なるべく受けていくようにしましょう。数字でハッキリと、自分の理解不足な単元がどこかわかる点でも貴重な機会です。

オープンキャンパスも「勉強時間がなくなる。もったいない」とは考えず、どんどん参加してください。第一志望だけではなく滑り止めの学校にも参加しましょう。中学受験を勝ち抜くためには高いモチベーションが欠かせません。自分が通うかもしれない学校に足を運ぶことで、初めて具体的なビジョンを持てる子供も多いです。

新学年になったら夏期講習に向けてステップを積み重ねよう

新学年になったら夏期講習に向けてステップを積み重ねよう
2月から夏期講習までの流れを見ていきましょう。

受験生のリズムに慣れたら基本問題から固める

塾の場合、2月から新学年のカリキュラムが始まります。家庭教師や家庭学習の場合も、そうした塾のカリキュラムをこなす子供たちと競るわけですから、同じ時期を切り替えの目安と考えたほうがよいです。
この時期は、受験生のリズムに慣れることを目指しましょう。増えた授業数や宿題量に疲れやすくなる子供が多くいます。2月中は時間をやりくりする方法を身につけていきましょう。

家庭教師の場合は、生徒の能力や志望校に合わせて、先生が率先してオーダーメイドカリキュラムを組んでくれるはずです。しかし、塾の場合はマンツーマン指導でない限り、ある程度自分の計画性が問われます。マンツーマンの個別指導でない限り、授業や宿題の内容は生徒一人に焦点を当ててというわけにはいかないからです。
なお、計画を立てても遅れや不備は出てくるものですから、随時見直していかなければなりません。

夏期講習が始まる前からステップを積み上げて

塾や家庭教師による夏期講習は、一般的に授業数も多く期間も長いです。どうしても、途中でだれてしまう子供が出てきます。一方、毎日きちんと宿題をこなし、予習復習をし、授業に集中できる子供は成績が上がります。どうすれば、後者になれるのでしょうか。

ここはやはり、夏期講習が始まる前の段階肝心です。ステップを積み上げておいて、夏期講習で学んだ内容を生かせるだけの基礎力、応用力の育成をあらかじめ済ませておくのがよいでしょう。具体的には「2月あるいは3月からゴールデンウィークまでにひとつめの目標」を、「ゴールデンウィークから夏期講習前までにふたつめの目標」を達成するスケジューリングをおすすめします。

なにを目標に掲げるかは、その子の得意不得意や理解度、志望校などによって変わってきますが、まずは基本問題で解けないところのある単元をゴールデンウィークまでに完璧に仕上げましょう。それから、夏期講習前までに応用をやり込み、現時点で解けない問題を明確にしておくというのが目安です。

教科は算数を中心に取り組む子供が多いです。なお、国語が苦手で語彙が少ない子供は、この時期から並行してコンスタントに覚えていかないと、受験までに間に合わないため注意が必要です。語彙に関しては、塾の問題集でも市販の問題集でもよいので、受験対策に必要な内容を一冊で総ざらいする教材を活用してみてください。受験に欠かせない内容がピックアップされています。

秋以降は過去問を分析して対策を

秋以降は過去問を分析して対策を
夏期講習が終わったあと、成績が上がらないことで悩む子供は多いです。秋以降について見ていきましょう。

夏期講習後の模試で大きく成績が下がる子供も

夏期講習が終わると焦りだす子供の割合はぐっと増えます。現実感が追い付いてきたというのもあるでしょうし、模試で思うような好成績が得られないのもあるかもしれません。夏期講習後に模試の成績が悪くても、あまり気にしないほうがよいです。この時期の模試で大きく成績を落とす子供は毎年たくさんいますが、その低調子が受験間際まで続くかというと必ずしもそうではありません。

「夏期講習後の模試の結果は不安定なもの」と割り切って、あくまで参考程度に受け止めましょう。ただし、次の模試でも同じ調子なら意識を変える必要があります。

秋からは本格的に過去問を開始

秋になると、多くの子供が本格的に過去問をやり込み始めます。中には、「過去問と全く同じ問題は、本番では絶対出ないのにやる必要あるの?」と疑問に思う子供もいるようです。
たしかに、過去問と同じ問題が出ることはまずありません。しかし、出題傾向を押さえることは重要です。広範な出題範囲の中から優先順位の高い学習内容を絞り込むことができます。加えて、問題を解く上で有利な順番を研究したり、イメージトレーニングをしたりすることが可能です。受験当日に通用する実践力をいかにつけるかが問われます。

過去問を解いたら答え合わせをし、間違えた問題の解法をよく読み込みましょう。最初は解説を読みながらやり直し、続いて解説を閉じて自分で解いてみてください。中には、難しすぎる問題や悪問など、当日捨て問にしたほうがよい問題が混ざっています。捨て問にすべき問題がどれなのかについては塾や家庭教師に確認しましょう。

なお、問題をやり直すにあたっては、「解説を読みながら解けること」と「解説を読んだ直後に自力で解けること」と「自力で解けること」は全て違うという認識を持ってください。成績が上がらない子供は必ずといってよいほど、これらを混同しています。解説を読んだ直後に自力で解けたとしても、必ず期間を空けてからやり直すようにしましょう。
過去問を進めていくと、自分の苦手な範囲がどこかを知ることができます。苦手な範囲は徹底的にやり直して、応用問題レベルまで解けるようにしましょう。

冬に入ったらラストスパートを

冬に入ったらラストスパートを
受験を目前にした冬にやるべきことは、基本的にはこれまでの総復習です。以下、見ていきましょう。

問題集は何周も解こう

冬になってまだ問題集が一周目では問題です。計画を立てる段階で問題集は何周かしてこそ身につくものだという認識を持ちましょう。難関校を目指すレベルの子供であっても、一回で身につくタイプはごくまれです。何周もやり込んで、徹底的に間違えた問題を解き直すことで、一問一問を確実に解く力をつけるのです。

ただ、頭から通しで何回も解く必要はないし、そんな時間はありません。問題集を一周して間違えた問題にはマークをつけて、二周目以降はマークのあるところだけをやっていけばよいです。

最後まで粘ることが肝心

こんな例があります。ある塾に成績下位の生徒が二人いました。同じ中学校を志望していましたが、どちらも受験ギリギリまでやる気を出さず、授業と宿題はそれなりにこなしているものの、家庭学習はいまいちでした。

しかし、さすがに受験二カ月前になって、片方の子供が「このままじゃまずい」と遅まきながら本気になりました。もう片方の子供は受験一カ月前になってようやく焦り始めました。ふたりの成績は僅差で、一カ月前から頑張りだした子供のほうが少しだけ上です。
最終的には、二カ月前から本腰を入れて頑張り始めた子供が志望校に合格し、一カ月前から本気を出した子供は滑り止めを含めて全落ちしてしまいました。それまでの積み重ねは同じぐらい、むしろ落ちた子供のほうが多少上だったのに、本気になるまでの一カ月の差が二人の明暗を分けたのです。

受験生の冬には、よく「こんな時期になって悪あがきしても無意味」なんて言葉を耳にします。しかし、それは悪あがきではなくラストスパートです。どれだけ最後まで粘れるかによって合否は分かれます。実際、全落ちした子供も受かるか落ちるかの瀬戸際の点数ばかりでした。合否はたった一問の差で決まるのです。
ラストスパートでは、「今までミスをしていた問題を確実に解けるよう総仕上げ」をしなければなりません。問題をやる際は、ミスをひと目で確認できるよう必ずマークしておきましょう。そのマークした箇所を取りこぼしなく見直しておくことが大切です。

年間の流れを把握してゆとりある学習スケジュールを

年間の流れを把握してゆとりある学習スケジュールを
学習スケジュールを立てる際に重要なのは、年間のスケジュールを把握した上で、無理のない組み方をすることです。しかし、無理なくといっても、中学受験の範囲は終わらないほど広範であり問題の難易度も高いですから、なかなか難しいことでしょう。
そのため、極力無駄を省いた計画を立てて、勉強を進めます。すでに理解できている問題を何度も解くようなタイムロスをなくしましょう。実際、自分の自信のなさをカバーするためにも、簡単な問題をあえて何度も解くような勉強の仕方をする子供はいます。自信をつけたいのであればもっと効果的な方法をとるべきです。

具体的には、細かく期間を切り分けて、それぞれに目標を設定し学習スケジュールへと落とし込む方法です。小刻みに目標を達成することで、自信を持てるようになるでしょう。
そうして基礎および応用をできるだけ固めてから、夏期講習に臨んでください。秋以降は過去問を通して実践力を養っていきます。冬は総仕上げの時期でありラストスパートです。塾や家庭教師の助言を得て、自分に合った年間計画を立てることをおすすめします。

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