中学受験に合格したら、しばらくはゆっくりと休みたいところです。しかし、合格したあとにもやらなければならない手続き、やっておいたほうがよい取り組みはあります。この記事では、中学受験合格後の二月・三月にはなにをやるべきなのかを紹介します。
入学手続きと入学辞退手続き
入学手続きとあわせて、地元の公立中学校の入学辞退手続きも忘れないようにしましょう。以下、詳しく見ていきましょう。
合格した学校の入学手続きをしよう
合格した学校に入学するためには、手続きが必要です。インターネット上で入学金を振り込める学校が多いですが、中には学校まで足を運んで手続きをしなければならない場合もあります。
なお、学校によっては「手続きの書類は合格発表の日の夕方までに事務室に取りに行く」なんてタイトなスケジュール設定もあるので、事前によく確認して間違いのないようにしましょう。
入学金は学校によって差がありますが、数十万円の大金です。併願校に振り込んだあと、第一志望校に受かり、二重三重に支払うはめになる家庭も少なくありません。
経済的な負担が苦しい場合は、あらかじめスケジュールを調整して、なるべく負担が少ない受験をしたいものです。中には延納手続きができる中学校もあります。資料をよく読んで確認しておくことをおすすめします。
地元の公立中学校への入学を辞退しよう
私立中学校に受かったら、区役所に足を運んで、地元の公立中学校に進学しないための手続きをする必要があります。基本的には、教育委員会から送られてきた入学通知書と、私立中学から渡された入学許可証を持参しての手続きです。念のため、何が必要かは自治体に問い合わせてみましょう。
中学受験後の登校日
中学受験後の登校日について紹介します。
登校日ってなに?
入学までの期間に、だいたいにおいて複数回にわたって登校日が設定されています。登校日には入学許可証やその他書類が配布されます。また、制服や学用品の注文をしたり、学校についての説明会が開催されたりします。中には、模擬授業を受ける学校までありさまざまです。
登校日に、学用品を購入するにあたっての注意点
学用品を購入するに際して気をつけたいのが、任意で購入するものについてです。「学校指定の鞄を全種類買ったものの、結局一種類しか使わなかった」なんてパターンもあります。購入が任意のものについては、あらかじめ先生や在学生に実情を聞いておいて、必要なものだけ買うとよいでしょう。
予算を確保しておくことも大切です。なにせ、制服、鞄、体操服、コート、教科書など、とにかくお金がかかるので事前に総額をチェックしておいてください。
登校日の入学説明会で、疑問点は質問できるようにしておこう
二月中に入学説明会を開催する学校が多いので、なにか疑問点があればあらかじめ質問できるようにしておきましょう。特に、必要な費用については、わからない点がないようにしておいたほうがよいです。
私立中学に子供を通わせるのは、ある程度経済的に余裕のある家庭が多いですが、そうはいっても公立中学に比べてとにかく負担が大きいので、通わせているうちにカツカツになるケースも少なくありません。
進学にあたっては、学用品以外にも入学金や施設費、授業料などがかかります。中には高額な寄付を募っている学校もあり、「寄付は任意」と謳いつつ、大半の家庭が支払っていて半ば義務化しているケースもあるのです。このあたりも事前にしっかり確認しておかないと、思いがけない出費に困り果てる事態になりかねないので注意しましょう。
登校日についてのまとめ
行われること | ・入学許可証やその他書類の配布 ・制服や学用品の注文 ・説明会 ・模擬授業(行わない学校もある) |
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学用品購入での注意点 | ・任意購入の物は必要な物だけにする ・予め予算を確保しておく |
説明会への事前準備 | ・疑問点ば予め用意しておく(特に必要な費用に関して) ・任意の寄付がある場合は何割程度が払っているか把握しておく |
お世話になった人たちにお礼を伝えよう
お世話になった人たちにそれぞれ連絡を入れておきましょう。
小学校へお礼を伝える
中学受験をするに当たって、小学校に書類を用意してもらったり一月中欠席させてもらったりしているはずです。合格の報告とあわせてお礼を伝えておきましょう。基本的には電話で大丈夫です。
中学受験に合格したら塾や家庭教師に連絡をしよう
中学受験に受かったら、今までお世話になった先生たちに報告をしましょう。
塾の先生や家庭教師は報告を待っている
塾の先生や家庭教師は合格にせよ、不合格にせよ報告を待っています。試験当日は担当の生徒たちがちゃんと問題を解けるのかずっと気を揉んでいますし、結果発表の日も連絡が来るまで落ち着かない気持ちです。
まずは報告の電話をかけてください。
塾ならば直接行って報告してもよいでしょう。その上で、後日改めて菓子折りを持って家族でお礼に行きます。菓子折りは個包装で、扱いが楽なものがよいでしょう。たまに、生菓子や高級果物を持参する家庭があります。先生も仕事中なので、その場で食べられるわけではないケースがほとんどです。持ち帰りやすいものにしましょう。塾のスタッフに配れるような焼き菓子や煎餅の詰め合わせがおすすめです。
家庭教師の場合も、改めて報告がてらお礼の品を渡す家庭が多いです。お菓子だったり身に付けるものだったりと、家庭によって選ぶものは異なります。ただし、塾にせよ家庭教師にせよ、気持ちの問題ですから、必ずしなければならないことではありません。最初からお礼の品はお断りというところもあるでしょう。
卒塾会に参加しよう
塾によっては卒塾会を行う塾もあります。ゲーム大会をしたり将来の夢を語り合ったりと内容はさまざまです。OB・OGを呼んで進学後の話を聞かせてくれる場合もあります。
受験合格後の勉強はどうすればよい?
受験合格後の勉強はどのように進めていけばよいのでしょうか。
受験合格後の生活リズムは?宿題以外の勉強は必要?
受験に合格した喜びから、子供の生活リズムが崩れてしまう家庭は少なくありません。今まで我慢してきた分、遊びたくて仕方ないのは当然でしょう。しかし、睡眠不足が続くのは決してよいことではありません。受験が終わったとたんに、夜更かししてゲームをする子供の話はよく聞きますが、学校生活にも影響しますし早寝早起きだけは徹底してください。宿題以外の勉強を全くやらない期間は一週間ぐらいに留めておくとよいです。
塾や家庭教師を続ける?
志望校合格を受けて、塾や家庭教師をやめる家庭はたくさんあります。ただし、信頼できる先生とはそう簡単に巡り合えるものではありません。この先生に教わり続けたいと思う先生がいるのなら、塾や家庭教師をそのまま続けるのもよいでしょう。私立中学は補習等のフォローが手厚い学校も多いですし、通学時間も長くかかる傾向にあるため、塾や家庭教師を活用しない子供もいます。
新しく塾や家庭教師を探す
新しい教育サービスを探す場合は、新生活の中で続けられるかどうかを基準に考えてください。通学に時間がかかる学校だと、子供が学校と家との往復だけで疲れ果ててしまいかねません。塾であれば、通学路にうまく組み込める場所、家庭教師であれば生活リズムにうまく落とし込める時間帯で探します。
塾なし・家庭教師なしでも大丈夫?
面倒見のよい学校であれば、勉強についていけない子供をその都度集めて補講をしてくれます。逆に生徒の主体性を重んじて、勉強は生徒に一任する学校もあります。
中学受験をして進学した子供は、塾や家庭教師による綿密なスケジューリングの下、素直に指示に従って勉強してきたタイプが多いです。そのため、中学に進学した途端、どのように勉強すればよいのかがわからなくなり、成績がガタ落ちしてしまうケースもあるのです。自習室に通い詰められる環境だった子供だと、自宅では集中できないと訴えることもあります。
私立中学校の勉強はスピーディーで難易度が高いです。上位校以上に限った話ではなく、中堅校以下のレベルでも、公立校と比べればついていくのが大変な内容になっています。気を緩めているうちにあっという間に勉強がわからなくなり、取り返しがつかなくなるなんて事態に陥りかねません。
実際、そうして困った子供が夏休み以降に塾や家庭教師を頼るケースはよく見かけます。夏休みに猛勉強すれば、なんとか一学期の復習ができるでしょう。本人次第ではありますが、秋から取り返そうとするとかなり厳しいです。「まずい」と思ったら、早めに教育サービスを探すとよいでしょう。特に英語と算数は授業に追いつくまでに時間がかかります。
入学前に復習しておきたい範囲は?
小学校の学習範囲はしっかりと固めて中学校に臨みたいものです。受験勉強にあわせて復習してきていると思いますが、自信のないところが残っているようであれば、改めて解き直しておきましょう。特に算数を優先して勉強することをおすすめします。
入学前に予習しておきたい科目は?
予習しておきたい科目は英語と算数です。先取りで勉強しておきましょう。学習指導要領の改訂により、小学校に英語が導入された結果、中学校の英語が「ある程度わかっている前提」のスタートになっています。そのため、英語についていけない子供が続出しています。
結果として、学校以外でどのぐらい英語を学んできたかによって実力差がついてしまっているのが現状です。アルファベットの大文字小文字の読み書きはもちろん、一学期の内容を理解できるよう予習しておきましょう。理想としては、一学期の教科書の日本語訳を見て、自力で英訳できるぐらいの力がついているとよいです。そこまでは無理でも、文法や単語は理解しておくことをおすすめします。
算数は正の数、負の数を理解し一次方程式まで解けるようにしましょう。もし、中学受験でお世話になった塾や家庭教師の先生にこうした予習をお願いできるのなら、頼んでおいたほうがよいです。春休み中に先取りしておけば、スタートダッシュは安心できます。
可能であれば読書も
読解力は全ての教科において必要ですが、受験勉強を優先するあまり、本を読む習慣が身についていない子供も多いです。
入学前の春休みは読書にぴったりな時期といえます。この機会に読書習慣を身に付けるとよいでしょう。子供と書店に行って合格祝いも兼ねて、好きな本を何冊か購入してあげてはどうでしょうか。本を買う際には、親の好みではなく子供の好みを優先してあげてください。
- 早寝早起きだけは徹底する。
- 利用中の塾・家庭教師は信頼できる先生であれば継続するとよい。
- 新しく塾・家庭教師を利用する場合は新生活のリズムに合うかどうかで判断する。
- 一学期の段階で成績が落ちてしまっていたら塾・家庭教師を早めに検討する。
- 入学前の復習は算数が特に大事。
- 入学前の予習は英語は文法と単語の理解、算数は一次方程式まで解けるようにしておくとよい。
- 全ての強化に関わってくる読解力は読書で身に付けるとよい。
学校生活が始まるまでに確認しておきたいこと
学校生活が本格的にスタートを切る前に確認しておきたいことは以下のとおりです。
通学時間にあわせて通学路を確認
通学時間にあわせて通学路を確認しておいてください。時間帯によってどの道が安全かは変わってくるものです。朝の登校時間、夕方の下校時間の通学路を見て、人通りはどうなのか、明かりはあるのかなどをチェックするようにしましょう。
パンフレットや資料を改めて読み込む
学校生活を実りあるものにするためにも、パンフレットや資料を読み込んで進学先のことを理解しておきましょう。部活動やカリキュラムについて知っておけば、これからどういう生活を送るのかを思い描きやすいですし、その先の進路についても考えることができます。
特に留学関連に興味があるのであれば、学校内の制度で利用できそうなものがあるかどうかを調べておきましょう。
やるべきことをやって臨めば新生活もスムーズに
まずは入学手続きをはじめとする諸手続きを終えて、問題なく入学できるようにしてあげましょう。合格発表後は締め切りのタイトさもあり、バタバタするのでスケジュールの見落としがないよう気をつけなければなりません。また、合格したらお世話になった先生たちへのお礼も忘れないようにしましょう。一緒になって喜んでくれるはずです。
せっかく合格したのですから、入学してみたらついていけず早々に挫折なんて事態だけは避けたいもの。小学校時代の復習とあわせて中学校の一学期の範囲を予習しておきましょう。特に英語と数学はついていけなくなりやすい傾向にあります。さらっと予習するのではなく、がっつりと内容を理解しておく作業が必要です。
教育サービスをどう活用するのかも考えておくとよいでしょう。これまでのサービスを継続するのも手ですし、新しいサービスを探すのもよいです。いずれにせよ、新生活はパワーがいるものですし、通学時間だけで疲れ果ててしまう子供も出てきます。無理のない環境づくりをすることが大切です。新生活をスムーズに始められるよう親がサポートしてあげるとよいでしょう。