海外に滞在中から、日本での受験準備に取り掛からなければならない帰国子女は少なくありません。そんなときに頼りになるのが、オンラインサービスです。この記事では帰国子女(以下帰国生)が中学受験をする上で、頼れるオンラインサービスについて紹介します。
帰国生が中学受験において苦労しがちな問題って?
帰国生は中学受験を考える上で、さまざまな悩みとぶつかります。
例えば、受験科目の中に国語を組み込んでいる学校は多いです。しかし、大半の帰国生は十分な日本語を学べる環境にはありません。そのため、読書習慣をはじめ、国語力をアップするための取り組みをする必要があります。
国語だけではありません。英語をはじめとする語学も受験に向けたレベルアップが必要です。長く現地に暮らしていて言葉に不自由しなかったとしても、日常会話と入試では求められるスキルがまるで異なります。まして、語学が得意な帰国生同士が競い合うわけですから、話せるだけでは試験を突破できないケースが圧倒的です。
その場合、帰国生に特化した受験勉強をしていく必要があります。しかし、海外在住だとなかなか必要な教育サービスを受けられなかったり、相談する相手がいなかったりするものです。結果、インターネットで受けられるサービスをどう活用するかが問われます。
帰国生のオンライン家庭教師・オンラインスクール
帰国生は滞在している国も、学習状況も一人ひとり違います。そのため、個々に対応してくれるオンライン家庭教師サービスやオンラインスクールがおすすめです。以下紹介します。
オンライン家庭教師EDUBAL
オンライン家庭教師EDUBALについて詳しく見ていきましょう。
教師全員が帰国生もしくはIB・インターの卒業生
オンライン家庭教師EDUBALは「帰国受験・インター・IB専門」を謳っている家庭教師サービスです。家庭教師は全員が帰国生もしくはIB・国内外のインターナショナルスクールを卒業した大学生で、「経験者に教えてほしい」というニーズに応えています。世界40ヶ国80都市以上の地域の生徒に家庭教師を紹介していて、時差を気にせず授業を受けることが可能です。
住んでいる場所ごとに利用可能時間が設定されているので、その枠内であれば対応してくれますし、枠外であっても相談に乗ってくれます。400名以上のIB生を指導してきた実績があり、帰国生の合格者を毎年多く輩出しています。
最新の情報を網羅的に提供
家庭教師サービスEDUBALの魅力は、家庭教師による指導だけではありません。帰国生受験における最新情報を提供するサービスがあります。国内外のインターナショナルスクールを卒業し、現在日本・海外の難関大学に通う大学生がEDUBALスタッフとして、国際バカロレアやSAT、帰国生向けの中学受験・高校受験・大学受験、インターナショナルスクールの受験などの情報を網羅的に提供しています。すべての情報はインターネット上でいつでも見ることが可能です。
コースごとに固定されたわかりやすい料金
EDUBALではコース料金がわかりやすく設定されています。一部を紹介すると以下のとおりです。
コース名 | 料金 |
---|---|
・スタンダードコース ・TOEFLコース ・TOEICコース ・英検コース ・IELTSコース ・英会話コース | ¥6,300/60分 |
・インター・現地校コース ・帰国子女中学受験コース ・一般受験コース | ¥6,800/60分 |
・IBコース ・SSATコース | ¥7,400/60分 |
短期集中コース | 10時間パック:80,000円 20時間パック:150,000円 |
カメラを無料で貸し出しも
EDUBALの授業はGoogleハングアウトやSkypeで行われます。未経験者でも問題なく、事前のテスト通話で使い方をレクチャーしてくれます。また、指導に必要なカメラは無料貸し出しです。
手書きのノートで指導を受ける場合は、WEBカメラ・ヘッドセット・書画カメラ(希望者に無料貸出)を使用します。オンラインドキュメントでの指導にも対応しています。その場合は、Googleドキュメントに先生と生徒が書き込んでいく形式です。
帰国・海外子女のためのオンライン家庭教師 TCK Workshop
オンライン家庭教師TCK Workshopについて詳しく見ていきましょう。
帰国生だった創業者の経験を生かしたサービス
創業者自身が帰国生として苦労してきた経験を生かして立ち上げたサービスです。どこに住んでいても必要な教育サービスにアクセスできるようにと、世界45カ国、のべ1,200名の学習サポートをしてきた実績があります。
家庭教師を紹介するだけのサービスではない
オンライン家庭教師TCK Workshopは、家庭教師を紹介するだけのサービスではありません。家庭ごとに、TCK Workshopの教育相談員が専任の担当としてサポートにつきます。この相談員は全員「プロ講師」であり、生徒のリクエストに応えるだけではなく、たしかな指導方針をもってリードしてくれます。
学習プランの組み立て、学習進捗確認やアドバイス、進路相談など多目的に対応してくれるため、授業ごとの対症療法ではなく先々を見据えることが可能です。さらにこのプロ講師たちは全員が同じチームとして働いているため、連携がとれています。
目標達成に向けて全社的にどうすればよいのかを考えてくれるサービスのあり方は、教育サービスとしては珍しいです。個別的な対応で当たりはずれのリスクがある教育サービスが多い中では画期的といえます。
家庭教師陣の実力が一目瞭然
他の教育サービスではどの家庭教師が優秀なのかがわかりづらいことが多いです。しかし、TCK Workshopではひと目でわかるようにランク別に分類されています。プレミアム講師・トッププロ講師・プロ講師・社会人講師・学生講師といった順番です。
PC(タブレット端末)とインターネット環境さえあればOK
TCK Workshopの授業では、ビデオ通話ツールを使用します。主に使うのはSkypeですが、ZoomやGoogleハングアウトなども利用可能です。PC(タブレット端末)とインターネット環境さえあれば、受講できるような仕組みが整えられています。
授業料は講師のランクに対応
TCK Workshopでは、多様なコースが用意されていますが、授業料はあくまで担当する講師のランクに基づき設定されています。一時間あたりの授業料は以下のとおりです。
コース | 料金 |
---|---|
学生講師 | 7,500円 |
社会人講師 | 9,000円 |
プロ講師 | 12,000円 |
トッププロ講師 | 15,000円 |
プレミアム講師 | 18,000円 |
※すべて税抜価格です。ただし、消費税は国内受講の場合のみで、海外で受講の場合は非課税となります。
ベストゼミナール
ベストゼミナールについて詳しく見ていきましょう。
すべての授業をマンツーマンで
ベストゼミナールはオンラインスクールです。すべての授業をマンツーマンで行っています。語学はもちろん、国語・算数といった各教科を生徒のニーズに合わせて指導しています。ベストゼミナールでは完全担任制を採用。担任と生徒の二人三脚で受験に臨むことができます。
授業に留まらない指導
ベストゼミナールでは、自立学習の仕方や学習メニューのつくり方にも働きかけていきます。また、直前対策として過去問対策等の十分な受験対策を行っていきます。英語が得意な生徒であれば、頌栄女子や洗足学園のような英語一教科入試や、渋谷教育学園渋谷、渋谷教育学園幕張、広尾学園のように英語力を重要視する学校に挑めるよう学力を仕上げていきます。
講師からメールで授業報告も
skypeを使ったマンツーマンのオンライン授業が採用されています。 難しい操作をする必要はなく、画面越しにホワイトボードや図表を使ったわかりやすい授業を行っています。先生と生徒は同じテキストを見ながら進めるので、進行はスムーズです。
保護者には授業後、講師からメールで報告が届きます。その日どんな内容を学んだのかがわかるため安心です。
また、入会して1ヵ月・3ヵ月・6ヶ月のタイミングで、講師と保護者と生徒での三者面談が行われます。
受験対策コースの生徒には無料自習室の提供も
受験対策コースをとっている生徒は、無料自習室を使うことができます。無料自習室といっても、オンラインサービスですからあくまでオンライン上の自習室です。自習室専門の講師が常駐しているため、緊張感をもって勉強できます。無料自習室の時間は以下のとおりです。
北米〈東海岸時間〉
日曜日 | 20時30分〜21時20分 |
月曜日 | 20時30分〜21時20分 |
火曜日 | 20時30分〜21時20分 |
アジア圏〈日本時間〉
日曜日 | 20時00分〜20時50分 |
月曜日 | 20時00分〜20時50分 |
なお、コースによって料金は異なり、コース料金は以下のとおりです。
帰国生受験対策コース
小学生受験コース(50分) | 週1(月4回):$147 週2(月8回):$272 週3(月12回):$390 |
作文指導コース(50分) | 月4回:$145 |
日本語が苦手な人に 向けたコース(40分) | 週1回(月4回):$135 週2回(月8回):$255 週3回(月12回):$370 |
ena国際部ena-iBT
ena国際部のena-IBTについて紹介します。
enaの校舎にまで通えない子供のためのインターネット授業
帰国生ならば、ena国際部の名前を聞いたことのある人は多いはずです。帰国生の受験において知名度のある塾で、世界各国に校舎を有しています。
国内帰国生専門校舎は、アメリカ合衆国に11校舎、カナダに1校舎、イギリスに1校舎、ドイツに2校舎、ベルギーに1校舎、オランダに1校舎、シンガポールに1校舎、上海に1校舎、廣州に1校舎、それから日本国内の帰国生専門校3校舎の合計20校舎です。
しかし、通えない地域に住んでいる家庭は依然として多いです。そのため、ena国際部はオンラインでの教育サービスの提供を行っています。それがena-iBT(internet Based Teaching)です。
時差の問題を解決するため、地域ごとに担当ゾーンを変更
ena国際部では、地域ごとに講師の担当ゾーンが設定されています。具体的には以下のとおりです。
北米・中南米の子供 | 主に米国とカナダの教師 |
欧州、アフリカの子供 | 主に英国、米国、カナダの教師 |
アジア、オセアニアの子供 | 主に日本とシンガポールの教師 |
このように担当ゾーンを地域ごとに変えることで、時差のせいで授業を受けられないケースを極力減らしているのです。
ena-IBTのシステムは二種類
ena-IBTのシステムは二種類あります。ひとつは北米・欧州・日本・シンガポールといった世界各地のena校舎の授業に、リアルタイムで遠隔参加するena-iBT インクラス。もうひとつは、完全1対1で、ニーズに合わせた授業を行うena-iBT マイクラスです。
帰国後は日本の校舎で学ぶ選択肢も
ena-IBTの生徒は、日本帰国後に校舎に通って勉強することもできます。対応する校舎は、ena国際部渋谷校、あざみ野校、東京校です。受験まで海外にいる場合は、ena-iBTのみで仕上げて、受験に臨んでいます。
帰国生入試に挑むならオンラインサービスで準備しよう
帰国生入試を受けるのであれば、ぜひオンライン家庭教師やオンラインスクールといった教育系オンラインサービスを活用してみましょう。インターネットの大きな利点である「いつでも」「どこでも」を意識したサービス揃いで、使い勝手がよいです。
オンラインサービスというと、似たり寄ったりなイメージがあるかもしれませんが、意外とサービスの質や方向性には違いがあります。たとえば、授業中のカメラの写し方ひとつとっても違うものです。手元を重視するサービスもあれば、表情を重視するサービスもあります。実際に使ってみないと良し悪しはよくわかりません。無料体験授業をなるべく利用しておくようにしましょう。
オンライン自習室や、授業報告といった授業以外のサービスについても、チェックするようにしてください。帰国生入試の指導料は高めにつくことが多いです。費用がコース別なのか、先生のランクに対応するものなのかも確認しておきましょう。複数のサービスを比較することで自分に合ったものが見つかります。