• 2020年4月1日
  • 2024年2月6日

中学受験専門塾についていけない。家庭教師や個別指導塾は必要?

中学受験専門塾についていけない

中学受験専門塾の集団授業についていけない子供は少なからずいます。ハイレベルな問題をハイペースに進めていくのですから当然のことです。授業についていけない状態に陥ったら、できる限り早く改善に取り組まないと、取り返しがつかなくなります。

この記事では中学受験についていけない場合に家庭教師や個別指導塾は必要かどうかについて紹介していきます。

中学受験専門塾についていけない場合、まず最初にやるべきこと

まず最初にやるべきこと
中学受験専門塾の集団授業についていけない場合はどうすればよいのでしょうか。

どこでつまずいているのかを特定しよう

中学受験専門塾の集団授業についていけない場合、子供がどこでつまずいているかを特定し克服させる必要があります。

たとえば、立体図形で点数がとれない子供がいたとして、立体図形だけやり直してどうにかなるとは限りません。平面図形までさかのぼって復習が必要な場合もあります。勉強は積み重ねですから、そのつまずきに至る手前の何か所かで、複合的につまずいている可能性だってあるのです。

そうした場合、弱点の洗い出しは自力では難しいもの。の力を借りましょう。塾の管理しているテストデータが参考になります。先生に復習の優先順位を教えてもらってください。

授業についていくための、学習習慣を身に着けよう

集団授業についていけない原因として最も大きいのが、学習習慣が身についていないケースでしょう。中学受験専門塾の集団授業は、授業を聞いて宿題をやるだけの受け身の姿勢でついていけるようなものではありません。宿題やテスト勉強と、苦手箇所の復習を並行して進めていかなければ、あっという間に成績が下降してしまいます。

限られた時間の中で無駄なく勉強するためには、「最終的な目標」を見据えて、「月単位」「週単位」の計画を立てる必要があります。つまり受験当日から逆算したスケジューリングが欠かせません。

授業でやった内容はその日のうちに復習し、間違えた問題は印をつけて残します。間違えた問題は、日を置いてやり直してください。「勉強しているのに成績が上がらない」と嘆く子供の多くが、「解きっぱなし」の状態です。完全に解けるまで何回でもやり直してミスを確実に潰すことで、成績は上がります。

中学受験専門塾についていけない場合に「まず」やること
  1. どこでつまずいているかを特定し克服させる
  2. 学習習慣を身につけさせる
  3. 最終的な目標を立てて月単位・週単位で計画を立てる
  4. 間違えた問題は印をつけて残しておく

転塾を検討するなら、今よりスローペースな授業をする塾を探そう

塾との話し合いを通して、授業ペースについていくためのプランが立てられればよいのですが、塾の方針やレベルによっては難しいこともあります。その場合は、今通う塾より授業ペースの遅い塾への転塾を検討したいところです。

転塾先を選ぶ際に、親はつい焦りから、「この子が勉強についていくためには、もっと詰めこみ型の厳しいところのほうがよいのではないか」と考えがちです。しかし、授業についていけない子供には、授業以外の範囲の立て直しを優先できる環境を用意してあげてください。

一度に詰め込んでも、消化不良を起こす可能性のほうが高いです。子供が勉強の負担に耐えかねて「もう嫌だ」と爆発する展開だけは避けたいものです。

集団授業と併用。家庭教師や個別指導塾のメリットとは

集団授業と併用。家庭教師や個別指導塾のメリット
塾と相談したり転塾を検討したりした上で、「集団授業だけでは難しい。なにか別の教育サービスを」と考えたのであれば、家庭教師や個別指導塾の併用を検討しましょう。メリットは以下の通りです。

家庭教師と個別指導塾に共通するメリットにはどんな点が挙げられるか

自習室に居残って、塾で学んだ内容を自力で復習できる子供はよいです。しかし、多くの子供は自習室で勉強しようとしてもつい遊んでしまったり、勉強を始めるまでに時間がかかってしまったり、勉強する優先順位を間違えてしまったりします。更に、自習室ではわからない問題にぶつかっても、先生の手の空いたタイミングを見計らわないと質問できません。

その点、家庭教師や個別指導塾であれば授業中その場ですぐに質問できます。子供のニーズに最適化された指導が可能なスタイルも魅力です。オーダーメイドカリキュラムで、その子の目標や状況に合わせて、随時柔軟に内容を更新することができます。集団授業は、子供の側が授業レベルに合わせて学ばなければなりませんが、家庭教師や個別指導塾はカリキュラム自体を子供に寄せられる点が強みなのです。

集団授業において、性格面や指導面で「合わない」と感じる先生に当たったとき、交代をお願いすることはまずできません。先生に対する不満をクラス全員が共有していたり、よほど目に余る問題行動があれば別ですが、基本的にはクラスや塾自体を変更するしか方法がないのです。

しかし、家庭教師や個別指導塾では「この先生とは合わない」と思えばすぐ変更を申し出ることができます。このシステムは教える側にも一定の緊張感をもたらすため、教育の質の向上につながっています。

家庭教師と個別指導塾に共通するメリット
  1. 授業中先生にすぐに質問が出来る
  2. 子供のニーズに最適化された指導が可能
  3. 「先生と合わない」と思えばすぐに変更を申し出る事が可能

家庭教師独自のメリットにはどんな点が挙げられるか

家庭教師のメリットはなんといっても無駄な時間が発生しない点です。個別指導塾であれば、通塾にかかるタイムロスがあります。家庭教師は、先生が自宅まで足を運んでくれるわけですから、本来なら通塾でロスしていた時間を勉強に回すことが可能です。加えて、夕方から夜にかけての通塾という安全面での懸念が不要となります。

指導において、家庭教師は一対一が基本です。対して、個別指導塾は一対一の指導スタイルばかりではありません。むしろ、割合でいえば、先生一人に対して複数の生徒のスタイルが主流です。

個別指導塾では「演習と解説を交互に進めるため、一対複数でもタイムロスはありません」と謳う傾向にあります。しかし、二人の生徒を同時に見ていて、交互に授業進行できるかどうかは、先生の腕次第。上手く采配できなければ大幅なタイムロスが発生します。家庭教師ではそうした無駄はありません。

家族ぐるみで先生と付き合える点も魅力でしょう。塾は親にとって「見ることのできない場所」です。中でどんな授業が行われているのか、先生の子供への接し方は適切なのか、親として気になる点をチェックできません。しかし、家庭教師であれば、聞こえてくる声ややりとりの雰囲気を通して、どんな指導をしているか、その一端に触れることが可能です。

家庭教師独自のメリット
  1. 移動時間が無い→無駄な時間が発生しない
  2. 基本的に一対一での指導スタイル
  3. どんな指導をしているのかを親が把握しやすい

個別指導独自のメリットにはどんな点が挙げられるか

個別指導塾のメリットは、塾によって授業スタイルを選べる点です。たとえば、一対複数のスタイルを選べば一対一よりも割安になります。家庭教師は一人の先生を独占しますから、どうしても料金がその分かかります。

個別指導塾では一対複数のスタイルが主流ですから、一対一のコースを選ばない限り、安上がりな料金設定が多いです。ただ、先にも触れたとおり、一対複数と一対一を比較した場合、一対一のスタイルのほうが効果的に学習できます。その点は念頭に置いておいたほうがよいでしょう。

なお、集団授業を受けている塾で、個別指導コースを追加できるケースもあります。わざわざ別の個別指導塾に通うよりは高い効果が期待できます。カリキュラムにおいて連携が期待できるためです。集団授業の先生と個別指導の先生の間での情報交換を徹底してもらいましょう。

個別指導独自のメリット
  1. 「一対一」「一体複数」の授業スタイルを選べる
  2. 集団塾とのカリキュラムの連携が期待できる

集団授業と、家庭教師もしくは個別指導塾を併用する上での注意点とは

併用する上での注意点
集団授業塾と、家庭教師もしくは個別指導塾を併用するとなると、いくつか注意点が必要です。以下、見ていきましょう。

信頼できる家庭教師センターや個別指導塾を選ぼう

家庭教師センターや個別指導塾はたくさんあります。その中で子供が安心して勉強でき、親が頼りにできる場所を探すのは大変です。インターネットの口コミや実際通っている人の話を参考にしましょう。

子供に合うところを選びたいのはもちろんですが、悪徳業者が混ざっていないかをチェックするのも大切です。よく見極めてからお願いするかどうかを決めないと、あとになってやめようとしたときに、高い違約金を請求される可能性があります。

中学受験の費用は学年ごとに上がることを念頭に

塾の中には、学年一律の料金設定をしている塾もあります。しかし、大手中学受験専門塾はどこも学年が上がるごとに料金が大幅に上がっていく設定です。受験生である6年生になると、4年生時の倍近くかかります。そうなってくると、個別指導塾と家庭教師との併用が予算的に苦しくなってくる可能性があります。

中学受験対策においては、その年の料金だけではなく受験が終わるまでにいくらかかるかを計算しておくことが大切です。

子供のストレスに目配りが必要

家庭教師や個別指導塾を活用すれば、「集団授業についていけないのを自力でなんとか解決しなければならない」というプレッシャーからは逃れられます。しかし、その分子供のスケジュールは過密です。成績面でのストレスが軽減しても、日々の息苦しさに追い詰められてしまう可能性は否めません。

せめて、「ただでさえ勉強についていけないんだから、もっと頑張らなきゃ」と親が子供にプレッシャーをかけるのはやめたほうがよいでしょう。ほどよく息抜きできるよう、サポートしてあげてください。

先生との情報共有はしっかりと

教育サービスを複数利用するのであれば、サービス間での情報共有が成功のカギになります。どこから復習すべきなのか優先順位を塾に提示してもらい、その都度、家庭教師や個別指導塾に伝えるようにしましょう。

情報共有がずさんだと指導が重複したり優先順位が前後したりとさまざまな無駄が生じます。どこまでが集団授業の役割でどこまでが家庭教師や個別指導塾の役割であるのか、線引きを最初に行ってください。つまり、家庭教師や個別指導塾はあくまでフォローの位置づけであることを明確にしておく必要があります。

面談時に保護者の口から意図を伝えて、何をしてほしいかを明確にしてください。実務的な細かな作業までお願いしておくとよいです。付箋やペンといった作業に必要な道具は、あらかじめ家庭で用意しておきましょう。

作業指示の具体例としては以下のようなものが挙げられます。

  • 「やり直しても解けなかった問題に貼るよう、子供に促してください」
  • 「解けなかった問題は、問題集の該当する問題の横に日にちを書き込んでおいてください」
  • 「ノートには解いた日付と問題集の名称、ページ数と問題番号を明記してください」

上記のような提案を受けて、先生の側から「こうしたほうがわかりやすい」と改善案を出される可能性もあります。

よく話し合って、子供が復習しやすい環境を整えるとよいです。無駄を省き、最大限の効果を引き出すようにしましょう。

併用する上での注意点
  1. 悪徳業者だと高額請求される可能性があるので口コミをチェック
  2. 一年毎ではなく受験が終わるまでに総額がいくらかかるのかをチェック
  3. 集団授業と家庭教師・個別指導塾の役割をしっかりと線引きする

家庭教師や個別指導塾を併用した際に効果が出やすい子供のタイプ

家庭教師や個別指導塾のような教育サービスを併用したとき、効果が出やすいのはどんなタイプの子でしょうか。

集団授業では質問がしづらい子供

集団授業では質問がしづらく、わからないところをこれまでなんとなくやり過ごしてしまう子供は一定数います。人前で挙手して質問するのを苦手とする遠慮がちな子供です。それならば、「授業前後に質問すればよいのに」と考える向きもあるかもしれません。

しかし、そうした子供は「忙しそうな先生をつかまえてまで質問するのは無理」と考える傾向にあります。家庭教師や個別指導塾は、質問するにあたって気がねが要りませんから、子供も安心です。

勉強に対してとっかかりの遅い子供

真面目でやる気もあるのに、とっかかりの遅い子供は多いです。自力で復習や宿題をやろうとしても、ついつい開始時間がずれこんで、結局、勉強時間が短くなってしまいます。決められた時間に開始する家庭教師や個別指導塾は、そうした子供の助けになります。

家庭教師や個別指導塾は、中学受験専門塾の強力なサポート役

中学受験専門塾の強力なサポート役
中学受験専門塾の集団授業に子供がついていけなくなったら、どこをどの程度理解できていないのか、データを通して洗い出してみましょう。塾に相談しフォローを求めてください。

それでも解決が難しいようであれば、転塾をするか、家庭教師や個別指導塾といった教育サービスを併用しましょう。子供が授業内容を理解できていない状態のまま、中学受験専門塾に通わせてしまうのはコストパフォーマンス的にもよくないですし、なにより子供が勉強自体を嫌いになってしまう危険性があります。

家庭教師や個別指導塾を併用する際には、具体的にどこまでのフォローをどういう作業を通して行うかを最初に取り決めましょう。遠慮がちな子供やとっかかりの遅い子供には特に有効な選択肢です。

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