サピックスに入るためには入室テストに合格しなければなりません。サピックスの入室テストとはどのようなもので、どんな勉強をすれば合格できるのでしょうか。この記事では、テストの流れや出題傾向および具体的な対策について紹介していきます。
サピックスの入室テストを受けるための手続きって?
サピックスの入室テストを受けるための手続きは以下のとおりです。
予約不要の説明会に参加しよう
サピックスの入室テストを受けるには、まず説明会へ参加してください。サピックスの指導方針や学習システムについて詳しい話を聞くことが可能です。入室説明会は各校舎で実施されます。最新の進学情報にアクセスできる貴重な機会です。わからないことがあれば個別で質問もできます。説明会はホームページで日程を確認してください。予約は不要です。
締め切りまでにテストの申し込みをしよう
締め切りまでにサピックスのテストを申し込みましょう。テスト前日の午後三時が締め切りです。サピックスの場合、入室テストは無料ではありません。費用は3,300円です。申し込み後に振込用紙が送られてくるため、期日までに支払います。会場は各校舎です。
サピックスの入室テストのスケジュールは?
サピックスの入室テストのスケジュールを、2021年12月5日実施分を例に紹介します。
首都圏のテスト時間と教科
学年 | 午前の部 | 午後の部 | 教科 |
---|---|---|---|
新1年生 | 9時~10時25分 | 13時30分~14時55分 | 算数・国語(各25分) ・体験授業(20分) |
新2年生 | 9時30分~10時55分 | 14時~15時25分 | 算数・国語(各25分) ・体験授業(20分) |
新3年生 | 10時20分~11時55分 | 14時20分~15時55分 | 算数・国語(各30分) ・体験授業(20分) |
新4年生 | 9時30分~11時25分 | 13時30分~15時25分 | 算数・国語(各40分) ・体験授業(20分) |
新5年生 | 9時~12時 | 13時30分~16時30分 | 算数・国語(各50分) 理科・社会(各30分) |
新6年生 | 9時~12時 | 13時30分~16時30分 | 算数・国語(各50分) 理科・社会(各30分) |
関西圏のテスト時間と教科
学年 | 午前の部 | 午後の部 | 教科 |
---|---|---|---|
新1年生 | 9時~10時25分 | 13時30分~14時55分 | 算数・国語(各25分) ・体験授業(20分) |
新2年生 | 9時30分~10時55分 | 14時~15時25分 | 算数・国語(各25分) ・体験授業(20分) |
新3年生 | 10時20分~11時55分 | 14時20分~15時55分 | 算数・国語(各30分) ・体験授業(20分) |
新4年生 | 9時30分~11時25分 | 13時30分~15時25分 | 算数・国語(各40分) ・体験授業(20分) |
新5年生 | 9時~11時45分 | 13時30分~16時15分 | 算数・国語(各50分) 理科(30分) ・体験授業(20分) |
新6年生 | 9時~11時25分 | 13時30分~15時55分 | 算数・国語(各50分) 理科(30分) |
首都圏と関西圏の入室テスト。具体的にどう違う?
首都圏と関西圏は新5年生と新6年生の時間が多少異なります。これは、テスト科目が四科目と三科目で異なるからです。関西圏では社会のテストがありません。また、首都圏では新5、6年生ともに体験授業がありませんが、関西圏では新6年生だけ体験授業がありません。
サピックスの入室テスト対策
サピックスの入室テストは学年別にどのような対策が必要なのでしょうか。
入室テストまでに家庭で身に着けておきたいスキル
入室テストで点数をとるために、家庭で身に付けられる基本的なスキルは以下のとおりです。
基本的な読み書き
サピックスの新一年生の入室テストを受けるにあたり、「ひらがなの読み書きができること」と「1から10までの数が読み書きできること」があげられています。
ここでいう読み書きとは、ただ読んで書ければよいというものではありません。色は薄くなっていないか、雑な走り書きにはなっていないか、とめ・はね・はらいができているか、家庭でしっかりとチェックしてあげてください。せっかく答えが合っていても、減点されてしまいかねません。
最後まで文章を読む力
国語にしろ算数にしろ、長い文章題が出ますから、文章を読む力は欠かせません。文章を読むのが苦手な子供は、書かれている内容の意味を拾えないまま、字面を眺めて終わってしまいがちです。
できるだけ家庭で音読の機会を作ってあげるとよいでしょう。声に出すことで、書かれている一文一文を理解しようとする姿勢が身に付きます。
また、子供が正しい音で読めているのかどうか、親が気づきやすい点も音読のメリットです。
語彙力
サピックスでは語彙力を問うような問題がよく出ます。語彙力のある子供は、家庭で本を読む習慣がついているケースが多いです。
一方、読書好きではないため、問題集での勉強を通して語彙を身に着ける子供もいます。受験本番が近づけば読書をしている余裕なんてなくなりますから、ますますそうして学ぶ子供は増えます。
しかし、問題集で暗記した言葉は本を読んで自然と覚えた言葉よりも抜けていきやすいです。できるだけ早いうちから、本を手に取りやすい環境を整えてあげることをおすすめします。
制限時間内に解く力
テスト慣れしていない子供は制限時間を意識しないで問題を解きがちです。
時計を見ながら時間内に問題を解く練習をしておきましょう。
見直す力
とりわけ、算数はひとつの計算ミスや数え間違いで大きく減点されてしまいます。解いたあとに間違いがないか見直す力を身に付けましょう。
優先的に見直す必要がある問題にはマークをつけるなど、見直しを効率的に進める方法を家庭で考えるとよいでしょう。
サピックスの入室テストの学年別出題傾向
サピックスの入室テストの過去の出題の一例は以下のとおりです。
学年 | 教科 | 出題傾向 |
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新1年生 | 算数 |
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国語 |
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新2年生 | 算数 |
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国語 |
| |
新3年生 | 算数 |
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国語 |
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新4年生 | 算数 |
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国語 |
| |
新5年生 | 算数 |
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国語 |
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理科 社会 |
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新6年生 | 四教科 |
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サピックスの入室テスト対策にはどんな問題集を使えばよいの?
新四年生までなら、算数で必須なのはサピックスから出ている「きらめき算数脳」シリーズ。もう少し難しい奨学社「最レベ算数問題集」に挑戦するのもよいでしょう。漢字は奨学社「ハイレベ100」がおすすめです。
サピックスの入室テストは基礎的な問題を確実に解ければ、合格できる構成になっているので、合格するだけなら基礎レベルを固めれば大丈夫です。
新五年生、新六年生になると、転塾組が多いです。元いた塾の問題集をやり込んでおきましょう。塾に通っていない場合は、市販の中学受験の問題集を使いましょう。
入室テストの点数や合格基準点は公開されるの?
テストの点数は新1年生と新2年生は非公開ですが、新3年生以上はマイページで確認できます。採点前の時点で答案が公開され、後日採点後の答案が改めて公開される流れです。合格点は学年によって異なります。基準点に達していれば、人数は関係なく合格となる仕組みです。
テストの難易度はそれなりに難しく、四割から五割程度解ければ受かるようなレベルで作られています。それでも、「他の大手中学受験塾より入室テストは易しい」と感じる人が多いようです。ただし、サピックスは入室してからが大変な、ハイレベルかつハイペースな塾でもあります。その点はあらかじめ認識しておきましょう。
サピックスの入室テストのクラス分け。上位クラスを狙うには
サピックスの入室テストの点数で最初のクラス分けが決まります。クラス替えは頻繁にあるので、最初から上位クラスを狙う必要はありません。クラス分けの基準は公表されていませんが、偏差値64ぐらいが上位クラスの目安といわれています。基本レベルの問題だけではなく、応用レベルの問題も解けるよう実力をつけておきたいところです。
なお、サピックスのクラス編成はα(アルファ)が一番レベルが高く、上からα1、α2…と数字が増えていきます。αクラスの下はアルファベットで分けられていて上からC、B、Aです。よくA、B、Cの順番だと勘違いされますが、アルファベットクラスではCが一番上にきます。
サピックスの入室テストにぶじ受かったら?
サピックスの入室テストに合格した後は以下のような流れです。
入室オリエンテーションに参加しよう
テストを突破した後は入室オリエンテーションに参加します。通塾上の注意や各教科の学習の進め方についての説明を受けてください。オリエンテーションの対象はあくまで保護者であり、子供ではありません。
期日までに入室手続きを完了しよう
期日までに入室を希望する校舎の受付で、手続きを行います。万が一、期日までの手続きが難しいようなことがあれば、受付に相談してください。
入室日を決めよう
学年ごとに入室日が設けられています。いくつかの候補から自分が入室する日を選択できる場合もあります。候補日よりも入室を遅らせたい場合は、入室テストを受け直す必要性があるため注意してください。
入室テストの結果が悪くても大丈夫。半年が目安
子供のテスト結果にはムラがあるものです。特にテスト経験が少ない子供だと、入室テストの結果も実力をはるかに下回りかねないでしょう。その後のテストで偏差値が十以上上がるケースは珍しくありません。
サピックスの教育方針と子供の相性もあります。通い始めて半年ぐらい経つと、サピックスが合うか合わないか。子供の実力はどのぐらいで、今後ののびしろはどのぐらい期待できそうか、などが少しずつわかってきます。
転塾は早く決断したほうが子供の負担も少ないです。しかし、「やっていけそうかな?」と迷っているのであれば、半年ぐらいを目安に様子を見てください。アルファベットクラスからのスタートでも御三家レベルに受かる子供もいます。
サピックスの入室テスト対策はまず基礎を固めよう
サピックスの入室テストは基礎から応用まで出題されていて、基礎だけ解ければ受かるのが特徴です。サピックスの問題集や市販の問題集を購入して、やり込んでおくことをおすすめします。入室テストの時点で上位クラスを狙うのであれば、基礎だけではなく応用まで解けるようにしておいてください。
入室テストの結果がよくない家庭もあるかもしれません。テスト慣れしていない子供だと、実力よりも悪い結果が出やすいのは当然です。もし、不合格だったとしても再度受けることは可能です。諦めずに挑戦してみましょう。
テストに必要な制限時間内に終わらせる力や、見直しを効率的に進める力も身に着けておきたいところです。サピックスの文章題は長いので、時間配分で失敗する子供が多くいます。
せっかく入室しても、サピックスが合わないと感じることもあるでしょう。転塾もひとつの選択肢です。もしくは、サピックスで習った内容の補習をするための家庭教師を検討してみることをおすすめします。