日頃しっかり勉強しているにもかかわらず、テスト本番に弱く実力を出せないタイプの子供は少なくありません。毎回悔しい気持ちで「次こそは」と誓うのになかなか結果につながらず、頭を抱えているなんてことはありませんか。
この記事では、本番に弱く実力を出せないタイプの子供をどうサポートするべきか紹介していきます。
うっかりによる悔しい減点!テストでのケアレスミス・凡ミス
ケアレスミス・凡ミスでの減点は悔しくて仕方ないものです。テストでやってしまいがちな定番のミスを紹介します。
解答欄がズレてまさかの全問ミス
意外とあるのが、解答欄の書き間違えです。一問ズレて記入したことで、連鎖して間違えてしまうケースをよく見ます。解答欄の性質上、記述式よりもマークシート式で起こりがちです。
小学生はマークシートのテストを受ける機会はあまりありませんが、実力試しに全国統一小学生テストを受けに行った際などには注意が必要です。
文章題でやらかすと大幅減点に。簡単な計算ミス
計算ミスはケアレスミス・凡ミスの中でも定番中の定番です。ただの計算問題であれば、配点が低いため、ダメージもある程度で押さえられます。
しかし、文章題の途中で計算ミスをやらかすと、大幅に減点されるため大打撃です。文章題は解くのに時間がかかりますから、せっかくかけた時間を失うことになりかねません。
これじゃあ読めない? 雑な字は減点対象に
ひとクラスの中に、何人かは走り書きのような字を書く子供がいるものです。字に厳しい先生だと答えが合っていてもバツをつけることがあります。
テスト中は時間的にも精神的にも余裕がないため、字がいい加減になりがちです。注意して臨みましょう。
問題文を読み飛ばし! 意図を誤解した解答
テスト中は時間に追われるため、ついつい問題文を読み飛ばしてしまいがちです。「間違っているものを選びなさい」「正しいものを選びなさい」といった設問を逆の意味で思い込んでしまうミスはよくあります。
テストの時間配分ミス。最後まで解けない
「解けるレベルの問題なのに最後まで解けない」ことほど悔しいこともありません。テストは戦略的な時間配分ができるかどうかで、点数が大きく変わってきます。
子供は「本当は解けたのに」と嘆きますが、時間配分はテクニックです。優先順位を見極める目や一問一問を素早く処理する能力を身に着けない限り、点数につなげるのは難しいでしょう。
- 解答欄の間違い
- 簡単な計算ミス
- 雑な字による減点
- 問題文の読み飛ばし
- 時間配分ミス
テストにおける子供のケアレスミス・凡ミスを防ぐために必要な対策は
ケアレスミス・凡ミスを防ぐために必要な対策にはどんなものがあるのでしょうか。順に見ていきましょう。
ミスだけをまとめたノートの作成
ミスだけをピックアップしてノートにまとめるのは自己分析の第一歩です。「自分がこれまでどんなミスをしてきたか」「似たようなミスを繰り返していないか」を可視化することで、ミスの傾向が見えてきます。「ちょっとしたミス」だと思い込んでいた内容が、実はそうではなく、クセになってしまっているかもしれません。何度も同じことをやらかしていないか、チェックしましょう。
ノートは教科別に分けて、必ず問題集名・ページ数・問題番号を明記してください。すぐに問題を解き直せるようまとめることが大切です。
過去問を確認して予行練習をしておこう
テスト前には、過去問で予行練習させておくことをおすすめします。受験勉強において過去問対策が必須なのは言うに及ばずですが、学校のテストでも同様です。
「前回はどんな形式で問題が出たんだっけ?」と事前確認しておくだけで結果は違ってきます。もちろん、同じ問題がテストに出るわけではありませんが、傾向は把握できます。問題量を見て、制限時間内に解くにはどんな工夫が必要か作戦を立てておくとよいでしょう。
見直しは必須。制限時間ギリギリまで粘ろう
「終わった者から提出するように」と先生に指示され、制限時間を使い切らずに答案を提出してしまう子供がいます。しかし、一点でも多く点をとりたいのならそれはもったいないことです。
思い込みやうっかりでミスをすることは誰しもありますから、最後まで粘って答案を見直したほうがよいでしょう。答えが合っているか、解答欄がズレていないかをチェックするよう促してください。
計算ミスを防ぐために途中式は省かない
計算が苦手な子供が途中式を省いていたら、「ちゃんと書きなさい」と注意しましょう。途中式をバラバラに書き散らしている場合も、改めるよう声をかけてください。問題用紙の余白のあちこちに途中式を展開する子供は多いですが、見直しの際に順を追えなくなりミスのもとです。
見直しのタイムロスを削減。問題文を読む際には線や印をつける
問題文を読む際には、重要なところに線を引くクセをつけるよう、子供に伝えましょう。たとえば、「正しいものを選びなさい」という問題であれば、「正しいもの」という箇所に傍線を引きます。線を引くだけでもミスの予防効果は大きいです。
国語の場合は、特に文章量が多いので注意をはらいながら読み進めなければなりません。たとえば、第一段落でテーマとなる問題提起がなされていたとします。そこでなにもしないまま読み進めてしまうと、いざ問題を解く段になって「テーマ、どこに書いてあったっけ」とイチから探し直さなければならなくなります。重要だと感じた文章はすぐに線で囲んでください。
後半の段落に結論があればそこも大きく囲みます。途中の具体例は「ここからここまでは具体例の話である」とわかるようにカッコで挟むなど、印をつけておくとよいです。最初に読んだ段階で、どれだけ内容を把握し見直しやすくしておけるかがカギとなります。
焦っても字は丁寧に書こう
テスト中、焦っているとどうしても字は乱雑になります。しかし、字が理由で減点されては大変。綺麗な字が書けなくても丁寧に書けば、字に厳しい先生でも評価してくれる可能性が高いです。とめはねはらいをきっちりと書くよう子供に伝えましょう。加えて、筆圧が弱すぎて字が薄くならないようにすることも大切です。
実力不足をケアレスミス・凡ミスだと思い込むケースも
子供はよく「本当は解けたのに、あわてて解いたからミスしてしまった」と大人に対して説明します。しかし、本当にただのケアレスミス・凡ミスかどうかは注意が必要です。実際には実力不足なのに、「本来の自分なら解けた」と思い込んでいる可能性があります。
テストで点数がなかなかとれない子供の特徴に「新しい問題ばかり解きたがる点」が挙げられます。ほとんどの子供はミスを何度も解き直すことで、自力で解けるようになります。この「解き直し」は多くの子供にとって億劫なものです。
同じ問題で足踏みするより、問題集を先に進めたほうが簡単に達成感を得られるというのはわかります。ただ、それでは実力の向上にはつながりません。子供がケアレスミス・凡ミスを主張した場合、類題を解かせて確認したほうがよいでしょう。
- ミスだけをまとめたノートの作成
- 過去問を確認して予行練習を行う
- 見直しをおろそかにしない
- 途中式も省かずに計算する
- 問題文を読む際には線や印をつける
- 焦っても字は丁寧に書く
- 実力不足かケアレスミスなのか見極める
精神的な理由からテストでミスしてしまうケース
精神的にテストのプレッシャーに耐えられない子供もいます。代表的な例は、以下のとおりです。
親が厳しく、よいテスト結果を出さないと怒られる
テスト後、暗い顔をして帰る子供は珍しくありません。自分の思うように点がとれなければ悔しいのは当然です。
とりわけ中学受験を目指す家庭は、どうしても子供の点数にシビアな反応を返す傾向にあります。ついカッとして、「こんなんじゃ受からないでしょう!」「もっとどうして勉強しなかったんだ!」など子供を責める言葉を並べてしまいがち。
親にとっては「喝」のつもりでしょうし、言いたくなるのも無理はありません。実力不足を点数で可視化されるわけですから「もっとちゃんとして」と焦りを感じることでしょう。とはいえ、「よい点をとらなければ叱られる」とプレッシャーを感じることで、逆に実力を発揮できなくなってしまうのは残念なことです。
テストはあくまで現在の立ち位置をはかるもの。問われるのはテストを足掛かりにどういう対策を練るかです。子供に対しては、「ここが弱点だから頑張っていこう」と前向きに呼びかけるのがよいでしょう。
テスト慣れしていなくて緊張で頭が働かない
テストだと思うと身構えてしまい、緊張して頭が働かず点数がとれないケースもあります。「テスト慣れ」という言葉がありますが、実際回数を重ねて慣れていくことは大切です。
たとえば、「学校のテストにいつまでたっても慣れない」というのであれば、学校以外でもテストを受ける機会を持たせるとよいでしょう。模試や塾のテストなどで経験を重ねれば緊張しなくなってきます。
テストが苦手なわが子を変えたい。利用できる教育サービスは?
テストが苦手な子供のために利用したい教育サービスにはどんなものがあるのでしょうか。
塾や家庭教師を検討してみよう
「うちの子供はテスト慣れしていないし、いざ本番となると、緊張してしまう」「ケアレスミス・凡ミスが多発しているけれど、原因がわからない」「テスト勉強のサポートをしてあげたいけれど、仕事もあるし、そこまでの時間はとれない」などテストをめぐる事情は家庭によってさまざまです。親だけで解決しようとしてもなかなか上手くいきません。
そこで、おすすめなのが教育サービスにサポートしてもらうことです。テスト慣れしたいのであれば、教育サービスが主催するテストを受けて、経験を積むところから始めてみるのもよいでしょう。
もしくは、塾や家庭教師を上手く活用してみてください。なぜケアレスミス・凡ミスをしてしまうのか、根本的な原因を突き止めてもらいましょう。教育を通して子供はグンと伸びていきます。親としても「自分がなんとかしなければ」と独りで抱え込まずに済むため、気が楽になるはずです。
塾や家庭教師にはわが子の問題点を伝える
塾や家庭教師といった教育サービスを活用する上で大切なのは、問題点の共有です。「子供がテストを苦手としている旨」を最初に伝えましょう。
塾ならば面談時、家庭教師であれば派遣センターに問い合わせた際に「わが子にはどんな問題点があるか」を説明してください。そこで親身になって対策を考えてくれる教育サービスは信頼できます。
体験授業を利用できたり、合わない先生を交代できたりするシステムが用意されていますから、我が子に最適なサービスを受けさせられるよう、活用しましょう。
塾や家庭教師の目を通してわかることもある
テストが苦手な子供にとって、塾や家庭教師にはメリットがたくさんあります。まず、塾も家庭教師も専門家の目線で、子供が何を得意とし苦手とするかを見極めることが可能です。その上でテスト結果との間でどの程度のギャップがあるかを分析することができます。
わが子がテストで結果を残せない理由については親もいろいろと推測していることでしょう。
しかし、先生の目を通して初めて本当の理由がわかることもあります。「うっかりミスが多くてそそっかしい子」だと思っていたら「計算の初歩につまずきがあった」なんてケースは珍しくありません。テストまでに授業を通して必要な知識を無駄なく教えるのはもちろんのこと、テスト本番での問題を解く優先順位や見直しの際のポイントなどを伝授することもできます。
発達障害に対応した塾や家庭教師サービスも
本番に弱い原因が、子供の持つ特性に起因するケースもあります。その場合は、子供に合った方法を丁寧に模索する必要があるでしょう。
最近は、発達障害を持つ子供を対象にした塾や家庭教師サービスがたくさんあります。子供の特性を理解し、寄り添った教え方で「どうすればよいか」を考え、働きかけてくれるはずです。まずは対応している教育サービスに連絡をとり、実際にどの程度のサポートが行われているのかを詳しく聞いてみてください。
テスト本番に弱い性質だとあきらめないで、原因を特定しよう
「うちの子供はテスト本番に弱い性質だから」とあきらめることはありません。原因を見極めれば打開策は見つかります。
まずはミスのノートを作成しましょう。ミスの傾向を把握し、見直しの仕方を考えたり、テストへの取り組み方を変えたりしていくことで、少しずつ実力を発揮できるようになります。
家庭だけでどうにかしようとする必要はありません。塾や家庭教師をはじめとする教育サービスの力をぜひ借りてください。積み重ねてきたノウハウで的確なサポートが可能です。