中学受験を行う学校の中には、面接試験を設けているところが少なくありません。中学受験における面接はどういう位置づけなのでしょうか。この記事では、面接試験に必要な知識をすべて紹介します。
中学受験において面接はどのぐらい重要なのか
テストで合格点をとれているのであれば、面接試験はさほど重要ではありません。少なくとも「合否を左右するほどの影響力はない」と理解してよいでしょう。面接とは学校側と受験生側が直接顔を合わせ、提出された書類と受験生本人を突き合わせて、情報に相違がないかを確認する場なのです。
しかし、例外もあります。合否を分けるボーダーラインで、複数名が同点をとっているケースです。同点であれば、テストの点数以外の基準をもって合否を決める必要が出てきます。その場合には、面接での評価がダイレクトに影響しかねません。また、目に余るほど面接での態度が悪い場合、学校によっては入学を再検討する可能性があります。
「上手に話せなかった」ぐらいならば気に病む必要はありませんが、準備をして悔いのない受け答えをしましょう。
中学受験の面接で用意したい親子の服装
面接の際に用意したい服装は以下のとおりです。
中学受験の面接で、受験生はどんな服装をするべきなのか
受験生の服装について、学校側の案内では指定がないことが多いです。「普段どおり」と書かれていることもあるでしょう。しかし、額面どおり受け止めてカジュアルな普段着を着ていくと、会場では浮いてしまいます。受験生は皆、自分たちの印象が良くなるように、清潔感のある格好をするためです。
制服のある小学校に通っている子供は、制服を着ましょう。制服がない場合は、ふさわしい服を用意する必要があります。
男子の場合
白いシャツにジャケットやブレザーを羽織ってください。色は黒や紺、グレーといった落ち着いた色味がよいです。ネクタイの色味は上着に合わせて、ストライプなどのシンプルな柄を選びましょう。足元は黒の革靴を履いてください。ズボンの裾が上がったときに靴下が見える可能性がありますから、白もしくは黒の靴下を用意することをおすすめします。
女子の場合
白い丸襟のシャツに、グレーや紺のブレザーもしくはジャケットを羽織ります。ボトムはスカートです。スカートは、ブレザーやジャケットと同色の無地か、色味を変えたチェック柄のデザインが人気を集めています。髪の毛は邪魔になるのでまとめておくとよいです。足元は、白か黒の靴下に、黒のローファーを合わせるとよいでしょう。
中学受験の面接で親はどんな服装をするべきなのか
面接の中には、親子一緒に受けるものもあります。その場合、親もきちんとした格好で臨まなければなりません。父親はスーツです。色味は黒、グレー、紺など落ち着いた色味がよいです。白いシャツを着て、足元は黒や茶色のシンプルな革靴を合わせます。靴下の色味は黒やグレーを選んでください。
母親は紺やグレーのスーツです。ボトムはスカートを選ぶ人が多く、中には白いシャツを着ます。足元は肌色のストッキングで、ローヒールのパンプスを履きましょう。メイクやネイルは派手にならないよう、控えめにすることをおすすめします。鞄などの小物も飾り気のないものがよいでしょう。
中学受験の面接用の服はどこで購入? 予算はいくら?
デパートもしくはインターネットが一般的です。レンタル衣装を活用する方法もあります。だいたい秋頃から問い合わせが増えてくるそうです。デパートの場合は特設コーナーを設けて、専門のスタイリストを配置していることもあります。アドバイスがほしい場合はデパートに足を運んでみてください。一方、インターネットでは安い商品がたくさんあります。口コミでじっくり比較検討できる点も魅力です。
予算的にはデパートだと、子供用のセットアップで5万円ほどかかります。インターネットだと5千円から一万円ぐらいの商品が人気です。品質や価格帯に幅があるため、予算を検討し悔いのないように選びましょう。
中学受験の面接用の服を購入するにあたっての注意点
この手のきちんとした服を選ぶにあたり、一回り大きめのサイズを買う選択はおすすめできません。子供服を買う際には、長く着るために大きめのサイズを購入するのが常です。
しかし、きちんとした服ほどジャストサイズでなければ、だらしなさが際立つもの。「今年着られればよし」と割り切って購入することが必要です。
卒業式にも着て行きたいと考えている場合は、アレンジが効きやすいアイテムを選ぶとよいでしょう。ボタンを付け替えられるタイプは、金ボタンに替えるだけでぐっと華やかになります。女子はスカートを差し替えて着回す人が多いです。もちろん、面接時のセットアップのまま卒業式に出ても、なんの問題もありません。
服を試着するときには、当日のヘアスタイルをしていくとイメージがつかみやすいでしょう。靴選びは靴擦れが起きないものを厳選してください。
中学受験の面接本番で気をつけたいマナー
面接に臨む際、名前を呼ばれたからといって、いきなりドアを開けてはいけません。入室前にはドアノックが必要です。では、ドアノックの回数は何回が適切なのでしょうか。
インターネットでは「国際的には4回」「2回はトイレノック」といった意見も見かけますが、少なくとも日本で一般的なのは2~3回です。ノックしたらすぐドアを開けるのではなく、「どうぞ」と促されるのを待ちましょう。「どうぞ」と言われる気配がない場合は、そのまま開けてください。「失礼します」と言って一礼してドアを閉めます。
椅子の横まで進んで、面接官を見ながら「よろしくお願いします」と改めて一礼しましょう。あせっていると、つい自分から座りそうになりますが、面接官が「どうぞ」と椅子を勧めてくれるまで待ってください。座る際には、背もたれにだらしなくもたれかからないことが大切です。背筋をぴんと伸ばして座りましょう。
「面接は以上です」と締めくくりの言葉を告げられたら、座ったまま軽く一礼。椅子の横に立ってから「有難うございました」と言って再度一礼します。ドアの前まで移動し、面接官をもう一度見て、「失礼します」と頭を下げてから退室してください。
面接で多い質問ってどんなもの?
面接でよく聞かれる質問を知っておけば、受け答えの際に慌てずに済みます。以下に具体例を紹介していきますので参考にして下さい。
「どうしてこの学校を志望したの?」定番の志望動機
確実に質問されるのが志望動機です。基本中の基本ですから、ここで言いよどんでしまうのは印象がよくありません。しかし、そうはいっても、明確な志望動機を持つ受験生はそんなに多くないものです。「親に勧められて」「塾に勧められて」「自分の成績レベルを考えて」といった答えが一般的なところでしょう。
ただ、学校側に伝える答えとしては、アピールが弱いと言わざるを得ません。嘘をついてまで、もっともらしい答えを作り上げる必要はないですが、もう少し補足がほしいところです。まずは受験校について詳しく知っておきましょう。ホームページやパンフレットに目を通し、魅力的に感じた部分をチェックします。恐らく、説明会や行事に参加するため、一度ぐらいは志望校に直接足を運んだことのある生徒がほとんどでしょう。そのときの印象を思い返して書き出してみてください。「親に勧められて」「塾に勧められて」「自分の成績レベルを考えて」といったベースに、プラスアルファして答えるだけでだいぶ印象が異なります。
「小学校で印象に残っている思い出は?」個別のエピソードを交えて
思い出話はその人の人柄を知るのに役立ちます。答えるときには「運動会です」「作文コンテストです」など、行事名だけで終わらせないように気を付けてください。
相手はその行事についてなにも知らないのです。どんな事柄で、どうして印象に残ったのかを掘り下げてみてください。
「得意科目と不得意科目は?」その理由まで考えて
得意科目と不得意科目について問われたら、どちらも正直に答えましょう。
たとえば、「得意科目は国語、不得意科目は算数です」と答えたとします。面接官はさらに一歩踏み込んで「国語が好きってことは本を読むのが好きなの?」「算数が苦手なのはどうして?」と尋ねてくるかもしれません。
どういう掘り下げ方をされるかはわかりませんが、得意科目・不得意科目について、自分なりの理由を説明できるようにしておくことをおすすめします。
「第一志望校はどこですか・併願校はどこですか?」正直に答えよう
第一志望が別の学校の場合は、答えにくい質問です。しかし、嘘をついて「単願です」とか「ここが第一志望です」と言うのはおすすめしません。正直にありのままを伝えてください。第一志望ではないからといって、合格が取り消されることはまずありません。学校側も受験傾向を把握しておきたいのです。
「あなたの長所・短所はなんですか?」エピソードを交えて説明
「明るい」とか「暗い」と形容詞で答えても、面接官にはよく伝わりません。具体的なエピソードを交えて説明するようにしましょう。
「通学経路について説明して」説明できるよう下調べを
学校に実際に行く際に、乗り継ぎの仕方やどのぐらいかかるのかを頭に入れておきましょう。学校側は通学が生徒の負担にならないか、安全に通えるのかなどを気にかけています。あまりに長い通学時間の場合、「朝早く夜遅い生活は、負担にならないか」と心配されるはずです。通学時間をどう活用するつもりでいるのか答えを用意しておきましょう。
「入試を受けてみてどうだったか」テストの出来について
テストの出来不出来についての質問もよくあります。自信のあるなしにかかわらず、正直に答えて問題ありません。本当はあまり解けていないのに、無理して「できました」と虚勢を張る必要はないです。
質問に対する答えの内容が重要なのではなく、答え方が大切です。暗い顔で「できませんでした」の一言で終わらせては、面接官も困ってしまいます。にこやかにハキハキと答えることが大切です。