中学受験はストレスとの戦いでもあります。保護者の方は、子どもの成績がなかなか上がらなければイライラしてストレスを感じると思います。
しかし!
受験生たる本人も自分の成績が上がらないことに非常にストレスを感じているのです!
強いストレスにさらされ続けると体調を崩したり勉強に集中できなくなったりと、受験に対して悪影響が出てしまいます。報道でご存じの方も多いと思いますが、過去には小学校6年生の女児が中学受験のストレスで飛び降り自殺をしてしまった事件もありました。この時には同じ小学校に通う友人も一緒に自殺を図り、結果として2人とも亡くなってしまいました…。
ストレスをため込んで良いことはひとつもありません!
子どもが中学受験のストレスで潰れてしまわないように、子どもが発する「ストレスサイン」の見分け方と、子どもが上手くストレスを発散できるような対策をお教えします!
※親の中学受験期におけるストレス対策はコチラ(別途お送りする「ストレス対策~大人編~」にリンクをお願いします。)
子どもが発するストレスサイン
1.頭痛・腹痛・下痢・嘔吐等の身体的症状を繰り返し訴える
2.怒りっぽくなった(暴力的になった)
3.ぼーっとすることが増えた
4.感情の起伏が激しくなった
上記の症状が出ていたら危険信号!強いストレスを絶えず感じている状態にある可能性が非常に高いです!早急な対応が必要です!
なぜ中学受験でストレスを感じるのか
今まで競争とは無縁の環境で育った子どもの場合、中学受験という競争意識が生まれる環境に入ることで強いストレスを感じてしまうことがあります。自分の意志で「中学受験をしたい!」と思った子どもでも、スランプなどで勉強が身に入らなかったり、思うように成績が上がらなかったりすることで、強いストレスを感じてしまうのです。
子どものストレス対策
1.スキンシップ
中学受験の中で保護者はもちろん、子どもも不安を感じることが多くあります。大きな不安を感じている子どもに対して、抱きしめてあげたり、手を握ってあげたり、頭を撫でてあげたりとスキンシップを図りましょう。学校や塾に向かうときや、家庭教師が終わった後など、子どもと触れ合うチャンスは多くあります。定期的に子どもの体に触れてあげることで、子どもが本能的に持っている「親への安心感」が高まり、ストレスが軽減されます。スキンシップを図る際には「いつも頑張って偉いね」など一声かけてあげると、より効果的です。
ちなみに、スキンシップは保護者のストレス対策にもなるので、自分がストレスをため込んでいるなと感じたら、積極的に子どもとスキンシップを図ると良いでしょう。
2.話を聞く
中学受験期の保護者が意外とできていないのが、しっかりと子どもの話を聞いてあげることです。子どもはストレスが溜まっていくと不平や不満を吐き出すことがあります。保護者も受験の準備がスムーズに進んでいない時はイライラしてしまい、つい子どもが言う文句を聞きたくないと感じてしまう事があると思います。しかし、しっかりと子どもの話を聞いてあげてください。子どもはストレスを吐き出す場所を探しています。子どもが文句を多く吐き出している時は、親の意見を通すのは別の機会にして、じっくり話を全部聞いてあげましょう。
3.好物を作ってあげる
「食は人を良くすると書く」と、某ヒーローが言っていた通り、美味しい物を食べると人は幸せを感じます。どんなにイライラしていても、どんなに辛くてもお腹は空くし、おいしいご飯は美味しいと感じます。お弁当でも夕食でも、コンビニ弁当などで済ませるのではなく、親の手で美味しいご飯を一食は作ってあげましょう。どうしても忙しい時は週末やお休みの日は美味しいご飯を出してくれるお店に行くのも良いでしょう。美味しいものを食べることで子どものストレスが軽減され、受験勉強を改めて頑張ろう!と思えるものです。
4.八つ当たりを受け止める
中学受験でストレスが高まると不安が溜まり、周囲に八つ当たりをしてしまうケースがあります。内容としては本当に理不尽極まりないことが多いのですが、保護者は子どもの八つ当たりをしっかり受け止めてあげましょう。八つ当たりされたことに怒りで返すと、子どもは発散する場所を完全に失ってしまいます。そうなると鬱々とした気持ちをため込んでしまい、最悪の場合、受験真っただ中で爆発してしまう事もあります。大爆発してしまう前にちょこちょこ発散させてあげましょう。
5.軽い運動
軽いジョギングや散歩、サイクリングやキャッチボールなどの運動はストレス発散に繋がります。また、軽度の運動は脳の機能を高めることでも知られており、ずっと机に向かって勉強をするよりも効率が上がります。レベルの高い学校に文武両道の人が多いのも、こういった理由があるのかもしれませんね。
6.睡眠をしっかりとる
子どもが非常にまじめな性格の場合に陥りがちなのが、寝る間も惜しんで勉強をしてしまうことです。睡眠を削っての勉強は目に見える頑張りでもあるので、親も評価がしやすく頑張っている姿をついつい褒めてしまいがちです。しかし、まだ心身の発達が途中の小学生が睡眠を削るのは非常に危険です。勉強の能率も下がってしまうので、健やかな成長のために、親は責任をもって十分な睡眠をとらせるようにしましょう。低学年では10時間ていど、高学年でも9時間は睡眠をとるようにしてください。ただ、この時に怒って「早く寝なさい!」と言うのは逆効果。「親は私の頑張りを評価してくれない」と感じてしまう事があるので、睡眠をとることが勉強の効率を良くするのに重要なことをちゃんと伝え、納得させて睡眠をとらせましょう。
7.思い切って1日休む
なかなか出来ないかもしれませんが、とても効果的なのが思い切って1日だけ受験から離れることです。受験から1日だけ離れて遠くに外出するのが良いでしょう。成績が伸び悩んで「もっと勉強しなきゃ!」と焦る子どもは、外出せずに勉強をしたいと言うかもしれません。そう言われると親としては勉強させたいですよね?そんな時には「受験のもっと先を見てみよう」と言って、子どもが持つ将来の夢に繋がる場所に行くのが良いでしょう。理系志向の子どもなら博物館や科学館へ行くのも良いでしょう。近くに有名大学があるなら、大学の中を見て回るのも良いでしょう。いつもと違う環境ながら、将来へのワクワク感を刺激されるので、気分を一新して勉強に改めて身が入る事でしょう。
「言い方」で正反対の感情を持つので注意
子どもがストレスで押しつぶされそうなとき、保護者も子どもも「受験を止める」という選択をすることがあります。この時には「言い方」にとても注意が必要です。しっかりと子どもの言い分を聞き、親の言い分を伝えた結果として「受験止める?」と子どもに質問する形で聞いてあげるのが良いでしょう。同じ文章でも、保護者が感情的になった状態で「受験止める!?」と言うと、子どもは自分がダメな子だから見放されたと感じてしまいます。保護者は決して感情的になってはいけません。意図も言葉も同じでも、言い方ひとつで子どもを追い詰めてしまう可能性があります。
受験はストレスとの戦いでもあります。子どもと自分自身のストレスをうまくコントロールして、厳しい受験を子どもと一緒に乗り越えましょう!