小学校から取得できる資格は多くありますが、その中には将来にわたって役立つものがあります。今回紹介する資格は中学受験の際に持っていることで合否に影響を与えることはまずありません。しかし、漢検や数学検定に合格するほどの学力は受験に必ず役立ちます。
また、検定試験に合格することは子どもの成功体験を増やすことに繋がります。ゴールが遠い受験と異なり、定期的にゴールがある検定試験は、中学受験の道しるべとして活用するのも良いかもしれません。
日本漢字能力検定(漢検)
「漢検」の略称で知られる日本漢字能力検定は、受験にも将来の就職にも役立ちます。中学受験の基本は「読むこと」と「書くこと」です。漢検を受検することで漢字に親しみが持て、子どもの語彙力の向上も期待できます。小学校6年生修了程度の5級を取得することを最初の目標とすると良いでしょう。そこから子どもの意欲に合わせて4級以上の級に挑むのが良いです。
昨今ではパソコンやスマートフォンの普及により漢字の読み書きが苦手な若者が増えたと言われています。特に「書き」については苦手な人が増えているようで、読めるけど書けない漢字が増えているようです。
漢字が書けなかったり読めなかったりすることで、社会人になった時に信頼が落ちてしまう事もあります。そういったことが無いように、早い時期から漢字に親しみ、慣れることは重要です。
さらに漢検は語彙力の向上にもつながります。語彙力が豊富な方が就活の面接の際などに役立つのでお勧めです。
硬筆書写検定
ボールペンなどを用いて綺麗に文字を書く技術を認定する資格試験です。
綺麗な字を書けるという事は将来にわたり非常に役に立ちます。美しい文字を書くことができれば、それだけでその人への信頼度も上がります。
受検に年齢制限は無いため、早い段階で綺麗な文字を書けるように練習を重ね、取得すると良いでしょう。中学受験に際して自分で記載する書類もあるため、そこで綺麗な字だと記憶に残りやすい可能性もあります。
立教大学などの一部の学校では、取得者に優遇を設けているところもあります。
日本語文章能力検定(文検)
文章を読み取る力と文章を作る力を図る検定試験です。
試験問題を解くためには語彙力の他に、グラフや文章から情報を適切に読み取る力も必要になります。最低級の4級であっても小学生にはやや難しい内容になっていますが、トライする価値はあるでしょう。
中学受験では問題の多くは文章題にて出題されます。文章を読み解く力を鍛え、どの程度力が付いたかの目安にもできます。受検後に検定結果の通知が届き、不足している力や、それを補うための勉強法も記載されているため、今後の勉強の指針とすることもできます。
相手に伝わる文章を構成する力も身につくため、メールやLINEなど文章で連絡することの多い現代社会において将来役に立ちます。
実用数学技能検定(数学検定・算数検定)
数学や算数の「計算・作図」などの技能を測定する資格試験です。
11級から6級が小学生向けの算数領域となっており、受験前に6級取得を目指すと良いでしょう。6級以上の数学領域では、統計など専門性の高い技能についても認定対象になります。
統計はビジネスの現場で重要視されています。中学受験が終わった後も積極的に検定を受検して社会でその能力を活かせることでしょう。
また、慶応大学などでは入試の際に優遇制度の対象となっているので、大学受験で役立つ場合もある資格です。
日本理科検定
理科離れと言われて久しいこの頃ですが、ノーベル賞受賞者を3年連続で日本人が受賞するなど理科分野での日本人の活躍は今後も進むことが予想されます。
小学生の段階では多くの子どもが「理科を好き」と回答しているにも関わらず、中学生になると「理科嫌い」が増える傾向にもあります。
早い時期から理科に親しみ、理科分野の知識を持つことは将来の進路を決定する際にも役立ちます。いくつかの大学で入試への活用がなされており、今後はその数が増える可能性が高いと考えられます。
歴史能力検定
日本史・世界史の知識を測る検定試験です。
グローバル社会と言われる現在は、様々な国の方々と触れ合う機会が多くなっています。自国や外国の文化を支える背景を捉えることができる「歴史」を学ぶことは非常に意義があります。
また、優秀なビジネスマンは歴史上の人物を教科書にしているところもあり、将来社会に出た際に教養としての歴史を知っていることは非常に重要です。
英検
多くの人が中学校時代に受検したことがあるのではないでしょうか。現在は小学校からの英語教育の必修化もあり、受検年齢は下がっている傾向にあります。英語自体も早期に学んだ方が良いため、これからも受検年齢は下降することが予想されます。
2020年から始まる新しい大学入試制度では英検を活用することも検討されており、大学受験も視野に入れて、早めに取得しておいた方が良いかもしれません。
TOEIC
英検以上に幅広く使用されている英語に関するテストです。
スコアが就職の際に参考で使われるなど、将来にわたって役立つので、受検できるのであればドンドン受けることをお勧めします。
英検同様に新しい大学入試制度に組み込まれることが検討されており、中学受験を終えた後も引き続き勉強して高いスコアを取得すべきでしょう。
他にも小学生から受検できる資格は多い
ただ資格を持っていても中学受験で有利になるというものではありませんが、検定の合格や資格の取得で子どもの自尊心も高まることも期待できます。
さらに、子どもが特定の分野へ興味を持つきっかけになったり面接の際のネタに使えたりと、受検することでマイナスとなることは無いでしょう。